この記事の結論:初心者が最初に買う登山用フリースは「薄手〜中厚手・250〜450g前後・前開きのジャケット型」が正解です。迷ったら、価格を抑えるならモンベルのシャミース ジャケットやクリマエア ジャケット、長く使う1枚ならグリッドフリースのパタゴニア R1 ジャケットを。選ぶ基準は「歩いても蒸れない通気性」「ザックに入る軽さ」「季節に合う厚さ」の3つです。
(2026年11月2日更新:紹介する商品をメーカー公式の最新の価格・重さで確かめ直し、販売が終わったモデルを入れ替え、選び方とよくある質問を加えました)
山の過酷な状況では、街で着るオシャレ着のフリースでは役に立ちません。登山におけるフリースは、溜まった熱や湿気を外に放出する『透湿性』や持ち運びのための『軽量性』などが重要になります。
フリースは、登山はもちろんタウンユースにも人気で、アウトドアコーナーに行くと様々なオシャレなフリースが売られています。しかし、登山のためのフリースを買いたい場合には、何を選んだらよいのか難しい部分も多いかと思います。そこで今回は、登山において本当に使えるフリースの種類とその使い分け、選び方、そしておすすめのフリースを紹介します。
登山で本当に使えるフリースとは
登山に適したフリースとタウンユースのフリース

一般的に、フリースというと長い毛足のモコモコとした、いかにも暖かそうなフォルムをイメージされる方が多いのではないでしょうか。最近は、タウンユースのオシャレとしてのフリースも人気で、街中でこのような厚手のフリースをよく目にします。
しかし、登山で用いるのには少しかさばり、重く、もしかすると暖かすぎるかもしれません。登高中は体からの発熱が多く、あまりに暖かすぎるものを着用していると暑くて汗をかいてしまいます。また、登山においてコンパクトで軽量な点も重要になります。
スポーツ用品店やアウトドアショップに行くと、様々なフリースが販売されていますが、タウンユースやキャンプで活躍するものと、登山で本領を発揮するものと様々ありますので、その特徴を見極めて求める性能のフリースを選ぶようにしましょう。
登山の重ね着(レイヤリング)でのフリースの役目
登山の服装は「ベースレイヤー(肌着)」「ミドルレイヤー(中間着)」「アウター(雨風を防ぐ上着)」の3層で考えるのが基本です。フリースはこのうちミドルレイヤーの代表で、肌着が外に出した汗の湿気を外へ逃がしながら、体温で温まった空気をためる役目をします。
- 春・秋の低山:歩くときの上着、または休憩中の防寒着
- 夏の高山:朝夕や山小屋での防寒着
- 冬山:ベースレイヤーとハードシェルの間に着る中間着
重ね着の考え方は、登山の服装の記事やミドルレイヤーの記事でくわしく紹介しています。
登山用フリースの選び方
1. 厚さ(生地の種類)で選ぶ
フリースは大きく分けて3種類あります。初心者の1枚目は、いちばん出番の多い薄手〜中厚手から選ぶのがおすすめです。
①薄手~中厚手のマイクロフリース

一般的なフリースで細かな繊維が起毛しており暖かくかさばりにくいのが特徴です。登山に使用するフリースとしては最もオーソドックスで、とりあえず選んでおけば間違いのない安定の性能です。
②中厚手で保温性に優れたグリッドフリース

マイクロフリースよりもやや厚めのものが多く、グリッドのように裏地に凹凸があることで保温性を高めながら、湿気の通り道ができ透湿性にも優れています。特に、ポーラテックパワーグリッドという生地を使用しているものは、軽量で多機能性に優れたワンランク上のフリースと言えるでしょう。
③厚手のハイロフトフリース

厚手タイプは冬山登山におけるミドルレイヤー、春から秋の登山における休憩中の防寒着として活用するシーンが想定できます。ハイロフトとは長めの毛足のことを指しており、他のフリースとは別格の保温性を得られます。しかし、冬山とはいえ登高中は体が発熱しますので、一般的には薄手~中厚手までのフリースの保温性で十分でしょう。
- 厚さ:①マイクロフリース 薄手~中厚手 / ②グリッドフリース 中厚手 / ③ハイロフトフリース 厚手
- 季節:①マイクロフリース 夏山の保温着/春・秋山のミドルレイヤー / ②グリッドフリース 夏山の保温着/春・秋・冬山のミドルレイヤー / ③ハイロフトフリース 春・秋・冬山の保温着
- 標高:①マイクロフリース 低山~高山 / ②グリッドフリース 低山~高山 / ③ハイロフトフリース 高山
- 特徴:①マイクロフリース 軽量化 / ②グリッドフリース 汎用性が高い / ③ハイロフトフリース 保温力特化
- 保温性:①マイクロフリース ○ / ②グリッドフリース ◎ / ③ハイロフトフリース ☆
- 透湿性:①マイクロフリース ○ / ②グリッドフリース ◎ / ③ハイロフトフリース △
- 吸汗速乾性:①マイクロフリース △ / ②グリッドフリース ○ / ③ハイロフトフリース ×
- 伸縮性:①マイクロフリース ○ / ②グリッドフリース ○ / ③ハイロフトフリース △
さらに上位互換!特別な機能をもつポーラテックのフリース
④ドライで着心地の良いポーラテックパワードライ

吸湿拡散性能に優れており、汗を素早く吸い上げ常に肌をドライに保つ性能に長けています。また、熱がこもりにくく、そもそも汗をかきにくいのも特徴的です。ベースレイヤーとしても使用され、厚めのパワードライを用いれば、秋冬のベースレイヤーやミドルレイヤーとしても使用でき、あらゆるアクティビティで活躍するでしょう。
⑤伸縮性に長けたポーラテックパワーストレッチ

しなやかでストレッチ性に優れた素材で、通常2方向へ伸縮する生地が多いものの、4方向への伸縮性を確保しており、次元の違う動きやすさが得られます。着用時にだぼつかず、裏地の起毛素材でデッドエアを確保し、ほどよく保温してくれるため、動きの激しいアイスクライミングやバックカントリーなどでも活躍するでしょう。
この他にもポーラテックには様々な素材があり、それぞれ特徴が異なります。ポーラテックについてもっと詳しく知りたい方へこちらの記事もおすすめです。
2. 重さとかさばりで選ぶ
フリースはザックに入れて持ち歩く時間も長いウェアです。日帰りの低山なら250〜450g前後がひとつの目安。400gを超えるものは暖かい反面、ザックの中で場所をとります。休憩中の防寒が目的なら、同じ重さでもっと暖かいダウンジャケットや化繊インサレーションと組み合わせる方が効率的です。
3. 季節と使い方で選ぶ
- 春・秋の低山:薄手のマイクロフリースかグリッドフリース。歩き始めに着て、暑くなったら脱ぐ使い方
- 夏の高山・山小屋泊:薄手で軽いもの。朝夕の冷え込みや小屋の中で着る
- 冬の低山・雪山:通気性の高いグリッドフリースを中間着に。上にハードシェルを重ねる前提で選ぶ
4. 形(ジャケット・フーディ・プルオーバー)と機能で選ぶ
初心者には、前を開けて体温調節しやすいフルジップのジャケット型がおすすめです。フード付き(フーディ)は首まわりと頭が暖かく、風の強い稜線で便利。プルオーバーは軽い反面、脱ぎ着の手間が増えます。ほかにも次の点を見ておくと失敗しません。
- ポケット:ザックの腰ベルトに隠れない胸ポケットがあると便利
- サムホール:袖が手の甲までかかり、手首の冷えを防ぐ
- フィット:重ね着しやすいやや細身のシルエット。試着はベースレイヤーを着た状態で
5. 価格の目安
登山用フリースの価格は、入門向けで1万円以下、グリッドフリースや高機能素材のモデルで2〜3万円台が目安です。まずは1万円前後のものを1枚使ってみて、自分に必要な暖かさや通気性がわかってから高機能モデルを選ぶのも賢い方法です。
よくある失敗
- 街用の厚手モコモコを選ぶ:歩くと暑すぎて汗だくになり、休憩中に汗冷えする
- 風よけのつもりで着る:多くのフリースは風を通すので、稜線では上にウインドシェルやレインウェアが必要
- 綿の肌着の上に着る:肌着が濡れたままだとフリースの性能が生きない。ベースレイヤーは化繊かウールに
おすすめの登山用フリース
ここからは、メーカー公式サイトで販売中であることと価格・重さを確かめた登山用フリースを紹介します(価格は2026年11月2日時点のメーカー公式の表示価格、重さはメンズの公式値)。
おすすめフリースの比較表
- モンベル シャミース ジャケット:種類 マイクロフリース / 重さ 262g / 価格 ¥6,800 / 特長 軽くて安い。1枚目の定番
- モンベル クリマエア ジャケット:種類 フリース(サムホール付き) / 重さ 383g / 価格 ¥9,460 / 特長 軽く暖かく、オーバーヒートしにくい
- モンベル クリマプラス200 ジャケット:種類 中厚手フリース / 重さ 437g / 価格 ¥9,500 / 特長 しっかり暖かい。休憩や小屋での防寒着に
- パタゴニア メンズ・R1 ジャケット:種類 グリッドフリース / 重さ 343g / 価格 ¥24,200 / 特長 脇下の通気と伸縮性。歩きながら着られる
- アークテリクス デルタ ジャケット メンズ:種類 中空繊維フリース / 重さ 240g / 価格 ¥31,900 / 特長 表面がなめらかで重ね着しやすい
①まず1枚目に。手頃なマイクロフリース
【高コスパフリース】モンベル シャミース ジャケット

薄手ながら暖かく、心地よい肌触りが人気のフリースジャケットです。素材はモンベル独自のポリエステルフリース「シャミース」。税込6,800円・平均重量262gと、軽さと価格のバランスがよく、とりあえず登山用にフリースを1枚買っておこうという時におすすめの一枚です。
特に、これから登山道具をそろえようとしている方にとっては、どの用具もウェアも値段が高く手を出しにくい面もあるでしょう。そんな方には、まずこちらのフリースを使用してみて、自分に必要な性能を確認してから高性能フリースを購入するのがお勧めです。
- 重量:シャミース ジャケット Men's 262g(平均重量)
- 素材:シャミース ジャケット Men's シャミース(ポリエステル)
- 価格:シャミース ジャケット Men's ¥6,800(税込)
【軽くて暖かい】モンベル クリマエア ジャケット
モンベル独自のフリース素材「クリマエア」を使ったジャケットです。軽くて暖かく、汗をかいてもオーバーヒートしにくいことをうたっています。脇と袖口には伸縮するクリマプラス素材を使い、袖口にはサムホール付き。胸と腰にジッパー付きポケットが3つあり、行動中の小物の出し入れもしやすい作りです。ゆったりした「リラックスフィット」のサイズも選べます。
- 重量:クリマエア ジャケット Men's 383g(平均重量)
- 素材:クリマエア ジャケット Men's クリマエア(ポリエステル)
- 価格:クリマエア ジャケット Men's ¥9,460(税込)
【しっかり暖かい中厚手】モンベル クリマプラス200 ジャケット
厚みのある「クリマプラス200」を使った、モンベルの定番フリースです。シャミースやクリマエアよりも重いぶん暖かく、秋の山頂での休憩や山小屋、テント場での防寒着に向いています。歩きながら着るには暑く感じることが多いので、「止まっているときに着る1枚」として選ぶとよいでしょう。
- 重量:クリマプラス200 ジャケット Men's 437g(平均重量)
- 素材:クリマプラス200 ジャケット Men's クリマプラス200(ポリエステル)
- 価格:クリマプラス200 ジャケット Men's ¥9,500(税込)
②長く使える高性能なグリッドフリース
【フリースの王道】パタゴニア メンズ・R1 ジャケット
パタゴニアの大定番フリース「R1」のフルジップモデルです。以前この記事で紹介していた「R1 デイリー・ジャケット」は公式サイトで確認できなかったため、現在販売されているR1 ジャケットに入れ替えました。
胴体にはポーラテック・パワー・グリッドのグリッドフリースを使い、脇の下などは通気性の高いジャージー素材にしたハイブリッド構造。胴は暖かく、脇からは余分な熱を逃がすので、登りで着たまま歩きやすいのが魅力です。肩の縫い目をずらしてザックのショルダーの下でも当たりにくくしてあり、伸縮性もあって腕を上げる動きも楽です。
- 重量:メンズ・R1 ジャケット 343g
- 素材:メンズ・R1 ジャケット ポーラテック・パワー・グリッド(リサイクル・ポリエステル93%/ポリウレタン7%)
- 価格:メンズ・R1 ジャケット ¥24,200
③軽さと重ね着のしやすさで選ぶ高機能フリース
【軽くて重ね着しやすい】アークテリクス デルタ ジャケット
アークテリクスの定番フリース「デルタ」シリーズのジャケットです。2024年にフルモデルチェンジし、現行モデルは八角形の中空構造をもつ「Octa」ポリエステルのフリースを使っています。重さ240gと今回紹介する中でいちばん軽く、透湿性と耐久性にも優れています。表面がなめらかなので、上にシェルを重ねても引っかかりにくく、春秋の行動着から冬の中間着まで幅広く使えます。
- 重量:デルタ ジャケット メンズ 240g
- 素材:デルタ ジャケット メンズ Octaポリエステル フリース(ポリエステル100%)
- 価格:デルタ ジャケット メンズ ¥31,900(税込)
④山旅ショップで選べるフリース・ミドルレイヤー
山旅ショップでは、ウールを使ったフリースや、通気性の高いアクティブインサレーションも扱っています。選び方の基準に合わせて紹介します。
汗冷えしにくいウールのグリッドフリース:Ridge Merino メリノ・グリッドフリース・クルー
メリノウールブランド「Ridge Merino(リッジメリノ)」のグリッドフリースです(山旅のオリジナル商品ではありません)。グリッドフリースの通気性に、汗をかいてもにおいにくく冷えにくいメリノウールの良さを合わせたクルーネックのミドルレイヤー。「歩きながら着ても蒸れにくい」という選び方の基準1・3に合う1枚で、秋の低山の行動着や冬の中間着に向いています。
前開きで温度調節しやすい:Ridge Merino POLARTEC パワーウール ジップフーディ
同じくRidge Merinoの、ポーラテックのパワーウール素材を使ったジップフーディです。ウールを使ったポーラテック素材で、前を開け閉めして体温調節しやすいフード付き。初心者におすすめの「前開き・フード付き」の形で、風の冷たい稜線でも首まわりが暖かいのが利点です。
フリースより軽く通気する:POLARTEC アルファダイレクト90 ULジャケット
フリースの代わりに選ばれることが増えているのが、ポーラテック アルファダイレクトを使った「アクティブインサレーション」です。綿のような保温材がむき出しになった作りで、フリースより軽く、通気性が高いのが特長。重さとかさばりを抑えたい(選び方の基準2)人や、冬の低山で動き続けるときの中間着に合います。風は通すので、稜線では上にシェルを重ねてください。
種類ごとのフリースの使い分け

それぞれ季節と標高を目安にして使い分けるとよいでしょう。目的は防寒対策のための保温性で、気にする点はフリースを着用しても汗をかかないようにするための通気性です。
一般的には、マイクロフリースやグリッドフリースなどの薄手~中厚手のフリースが汎用性が高くおすすめです。ハイロフトフリースは、抜群の保温性能で寒がりの方にはおすすめですが、透湿性が低く注意しないと発汗によって蒸れてしまう危険性があります。休憩中の保温着にするのなら、軽くてかさばらないダウンの方が適しているでしょう。
また、この時考えなくてはいけないのがコンパクト性と重量です。ベースレイヤーの上でも脱ぎ着がしやすいか、ハードシェルなどのアウターの中に着ても動きやすいかなど、他のレイヤーとのバランスも考えて最適な一枚を選ぶように考察を重ねましょう。
- 春・秋の低山:フリースの使い方 朝の歩き始めと休憩で着る / 組み合わせる服 化繊/ウールの長袖、ウインドシェル
- 夏の高山:フリースの使い方 朝夕・山小屋での防寒着 / 組み合わせる服 レインウェア、薄手のダウン
- 冬の低山:フリースの使い方 行動中の中間着 / 組み合わせる服 厚手のベースレイヤー、ソフトシェルやハードシェル
- 雪山:フリースの使い方 通気性の高いものを中間着に / 組み合わせる服 ハードシェル、ダウンジャケット
季節ごとの服装の全体像は、秋の登山の服装、冬の登山の服装の記事もあわせてどうぞ。フリースの代わりにソフトシェルを選ぶ考え方もあります。
よくある質問
登山にフリースは必要ですか?
必須ではありませんが、春・秋の低山や夏の高山では、1枚あると体温調節がとても楽になります。山頂は麓より気温が低く、風が吹くと体感温度はさらに下がります。休憩中に体を冷やさないための1枚として、薄手のフリースか軽いダウンを持って行きましょう。
フリースとダウン、登山ではどちらがいいですか?
歩きながら着るならフリース、止まっているときに着るならダウンが向いています。フリースは通気性があって汗で蒸れにくく、濡れても保温力が落ちにくい一方、同じ暖かさならダウンの方が軽くて小さくなります。秋〜冬は「行動中はフリース、休憩でダウンを重ねる」組み合わせが便利です。
ユニクロなど普段着のフリースでも登山できますか?
日帰りの低山なら使えないことはありませんが、厚手のものは歩くと暑く、重くかさばりがちです。登山用は通気性や伸縮性、軽さを考えて作られているので、汗をかいたときの快適さが違います。まずは手持ちのフリースで試し、不便を感じたら登山用を選ぶのもひとつの方法です。
フリースの上には何を着ればいいですか?
多くのフリースは風を通すため、風のある稜線や雨のときは、上にウインドシェルやレインウェアを重ねます。冬山ではハードシェルを重ねるのが基本です。
フリースの洗濯方法は?
洗濯表示に従い、ネットに入れて弱水流で洗うのが基本です。柔軟剤は通気性や吸汗性を損なうことがあるので避けましょう。毛玉や静電気を防ぐため、乾燥機の使用もメーカーの表示を確認してください。
※本記事の作成にはAIを活用し、製品の仕様は各公式サイトの掲載情報(確認日時点)と照合しています。






