この記事の要点:編笠山(2,524m)の初心者向けは、観音平から登って山頂を往復するコース(片道の目安3時間10分)。岩場や鎖場がなく、南八ヶ岳でいちばん登りやすい山のひとつです。11月は山頂付近で雪や凍結が始まり、観音平へ向かう県道は例年11月下旬から冬期閉鎖になるため、行くなら早めに、チェーンスパイクと防寒着を持って出かけましょう。
(2026年11月2日更新:青年小屋の営業期間・観音平への道路の冬期閉鎖・駐車場の最新情報と、季節ごとの服装と持ち物を新しく加えました)
年間を通して多くの登山者を迎えている、山梨県・長野県に位置する山岳エリア、八ヶ岳。急峻で難易度の高いルートの多い南八ヶ岳において、最南端に位置する編笠山は、南八ヶ岳の峰々から南アルプス、諏訪の自然を一望できる眺望で人気があり、南八ヶ岳の中で登りやすいことでも知られています。この記事では、初めて編笠山に登る人に向けて、最新の登山情報・コース・アクセス・季節ごとの服装と持ち物をまとめました。
- 都道府県:編笠山 山梨県・長野県
- 標高:編笠山 2,524m
- 主な登山口:編笠山 観音平(山梨県北杜市)・富士見高原(長野県富士見町)
- 山小屋:編笠山 青年小屋(小屋泊・テント泊)
- 天気・アクセスなど:編笠山 編笠山の詳細情報
最新の登山情報(2026年11月2日確認)
出かける前に、次の公式情報を確かめておきましょう。11月は小屋の営業終了と道路の冬期閉鎖が重なる時期です。
青年小屋の営業:2026年は11月上旬ごろまで
長野県の山小屋情報ポータルサイトによると、編笠山と権現岳の間にある青年小屋の2026年の営業期間は4月25日から11月上旬ごろまでです。営業終了後の小屋は頼れないものとして計画しましょう。また、権現岳の山頂近くにある権現小屋は2026年は休業と案内されています。権現岳まで足をのばす場合も、権現小屋をあてにしないでください。
観音平へ向かう県道は例年11月下旬から冬期閉鎖
観音平へ上がる県道618号観音平下久保線は、冬のあいだ閉鎖されます。山梨県の冬期閉鎖情報では、前のシーズン(2024年度)は11月29日15時に閉鎖、翌年4月25日15時に解除でした。今シーズンの日程は、出かける前に山梨県の道路情報で確かめてください。閉鎖期間中は観音平まで車で行けないため、富士見高原側から登ることになります。
- 出典:山梨県「冬期閉鎖状況」
観音平の駐車場は普通車20台
山梨県の観光情報サイトによると、観音平の駐車場は普通車20台で、大型バスが転回できるスペースはありません。紅葉の時期の週末はすぐに満車になるので、早い時間に着くようにしましょう。
雪と凍結
編笠山では10月頃から雪が降り始め、5月頃まで残ります。11月は朝晩の冷え込みで、山頂付近や北側の斜面の登山道が凍っていることがあります。雪のない日でも、チェーンスパイクを持っていくと安心です。
クマへの注意
八ヶ岳の森はツキノワグマのすむ場所です。長野県では2026年も各地でクマの出没注意報や警報が出されました。クマ鈴を付け、見通しの悪い樹林帯では声を出しながら歩き、食べ物のゴミは必ず持ち帰りましょう。
編笠山登山が人気の理由
人気①:南八ヶ岳から南アルプスまで望める贅沢な眺望

編笠山の大きな魅力は、山頂から望める八ヶ岳らしさが存分に詰まった眺望です。八ヶ岳の主峰、赤岳を始め、南八ヶ岳の稜線を見渡せ、南アルプス、麓には諏訪の街並みが見え、諏訪湖も望めます。頂上は視界が開け、360度の景色が楽しめるだけでなく、頂上は南八ヶ岳エリアの中では広々としており、登りやすさも相まって、のんびりと頂上タイムを過ごせるのも魅力です。
人気②:登りやすい登山ルート

編笠山のルートは、北側の権現岳からのルートを除けば、難儀する岩場や高度感もなく登りやすいルートになっています。初めて登る八ヶ岳としておすすめの山で、登りやすいだけでなく編笠山ならではの空間が続くことも魅力です。
季節ごとに異なるシャクナゲを始めとした植生に癒やされ、樹林帯から一気に開ける頂上直下の開放感は編笠山らしさが詰まったポイントが私は好きで、実力が付けばより登りごたえのある権現岳との周回コースを組んだりできるなど、多様な計画を組めることも嬉しいですね。
人気③:山小屋・テント泊でゆっくり浸かれる山時間

編笠山と権現岳の間に青年小屋という山小屋があります。小屋泊・テント泊が可能な山小屋で、南八ヶ岳から北方へ縦走する要所として在り、日帰り可能な編笠山と権現岳ですが、宿泊することで2座を余裕を持った時間で登頂することができ、初めての山小屋・テント泊にもおすすめです。
昭和30年代から営業している青年小屋。入り口にある提灯が目印で、遠い飲み屋と書かれています。情緒ある雰囲気と親しみやすい山小屋で、常連さんもいらっしゃる人気の山小屋です。
編笠山のおすすめ登山コース
コースは大きく3つです。初めてなら観音平からの往復、体力に自信があれば富士見高原から西岳を回る周回、経験者は権現岳まで足をのばすコースを選びましょう。コースタイムは休憩を含まない目安です。出発前に地図アプリや登山地図で最新の時間を確かめてください。
- 観音平→編笠山(往復):レベル 初心者 / 片道の目安 3.3km・3時間10分 / ポイント 岩場なし。標高差は約1,000m
- 富士見高原→編笠山(往復・西岳周回):レベル 初心者〜中級者 / 片道の目安 4.5km・3時間50分 / ポイント 水場の不動清水に寄れる。西岳と組んで周回も
- 観音平→編笠山→青年小屋→権現岳:レベル 中級者〜上級者 / 片道の目安 青年小屋で1泊が安心 / ポイント 権現岳周辺は岩場・鎖場あり
【初心者向け】樹林帯から開放感ある山頂へ−観音平ルート
- ゴール地点:観音平 編笠山
- 地点間の距離:観音平 3.3km
- 片道コースタイム:観音平 3時間10分
- 難易度:観音平 ★★☆☆☆

八ヶ岳南端の登山口、観音平からスタートするルートです。大半を樹林帯の中を歩きますが、八ヶ岳特有の植生が広がり、静かな登山が楽しめます。権現岳を目指す場合や宿泊の場合は青年小屋へ向かう道が付いています。

私は関東沿岸部に住んでおり、近隣の山域を夏に登ると、蒸し暑さでウェアがすぐに汗びっしょりになり、天気の良い日に登る気になれないのですが、同じ樹林帯でも標高が高く気持ち良く歩けるので、観音平の樹林帯はお気に入りです。
印象的なスポットはあまりないのですが、押手川付近は少し開けた印象があり、腰を落ち着けて休むのに良い場所です。
注意する所:
- 押手川から上は傾斜が増し、山頂直下は大きな岩が積み重なった道になります。足を置く場所を一歩ずつ確かめましょう。
- 下りは、山頂から青年小屋へ下りて押手川に戻る道と、来た道を戻る道があります。分岐で地図を見て、予定の道かどうか確かめてください。
- 11月は山頂付近の岩が凍っていることがあります。滑りそうならチェーンスパイクを付けましょう。

頂上は文句なしの眺望です。遠方から八ヶ岳に来た人にとって、ここからの景色は下山するのが惜しいもので、しばらく山頂標識の前に立ち尽くしてしまいます。山頂に広がる世界を十分に楽しんだら、ゆっくりランチをして下山します。
【初心者〜中級者向け】多様な登山計画が立てられる−富士見高原から編笠山
- ゴール地点:富士見高原 編笠山
- 地点間の距離:富士見高原 4.5km
- 片道コースタイム:富士見高原 3時間50分
- 難易度:富士見高原 ★★☆☆☆
山麓でレジャーを楽しめる富士見高原を登山口にして登るルートで、観音平と同様に樹林帯を歩き、山頂を目指します。編笠山の北西に位置する西岳に至るルートにもなっており、青年小屋を経由して編笠山を登れば、周回ルートで充実した山行にすることができます。

途中、最短距離を迂回することになりますが、水場の不動清水があります。不動明王を奉った場所で湧き水が出たことからその名が付けられたそうです。近くにはトイレもあり、時間があればちょっと寄り道してみるのも良いです。

頂上で休憩をしたら、来た道を戻ります。観音平の道路が閉鎖される冬のあいだは、このコースが編笠山へのメインの道になります。
注意する所:
- 観音平からより距離が長く、往復で8時間近く歩くことになります。日の短い11月は、朝早く出て、ヘッドライトを必ず持ちましょう。
- 西岳を回る周回にすると、さらに歩く時間が延びます。初めてなら往復にとどめるのがおすすめです。
【中級者〜上級者向け】青年小屋に泊まって権現岳へ

編笠山から青年小屋へ下り、さらに北へ進むと権現岳です。権現岳の周辺は岩場や鎖場があり、編笠山までとは難しさがまったく違います。青年小屋に泊まって時間に余裕を持たせるのが安心です。青年小屋の2026年の営業は11月上旬ごろまでで、権現小屋は2026年は休業しています。冬に権現岳へ向かうのは雪山の経験者に限られます。
青年小屋は樹林帯の中にぽっかり開けた場所に佇む歴史ある山小屋で、編笠山の山頂からもその姿が見えます。富士見高原からは西岳を経由して、観音平からは山頂を経由せず直接青年小屋に向かうこともできます。小屋泊とテント泊が可能で、利用は予約制となるので、事前に連絡を入れておきます。
アクセスと駐車場
観音平(山梨県北杜市)
- 車:中央自動車道 小淵沢ICから約12分(やまなし観光推進機構の案内)
- 電車:JR中央本線 小淵沢駅から車で約15分。駅からはタクシーを使います。
- 駐車場:普通車20台。大型バスは転回できません。
- 冬期:県道618号観音平下久保線が冬期閉鎖になります(前のシーズンは11月29日〜翌4月25日)。
富士見高原(長野県富士見町)
- 電車:JR中央本線 富士見駅からタクシーを使います。
- 車:マイカーで登山口まで行けます。冬に観音平が閉鎖されている間は、こちらが登山口になります。
水場とトイレ
登山口である観音平・富士見高原にはトイレがあります。水場は富士見高原からの場合、ルートによっては不動清水に寄ることもできます。青年小屋付近にも水場があります。要所で水分は補給できますが、日帰りの場合は事前に持っておくのが良いです。冬は水場が凍ったり使えなかったりするので、必要な水は全部持って登りましょう。
季節ごとの服装と持ち物
編笠山は標高2,524mです。麓が暖かい日でも、山頂は街よりずっと寒く、風も強くなります。季節ごとに「何が要るか」を道具から考えてみましょう。服装の基本は登山の服装の記事、持ち物の一覧は登山の持ち物チェックリスト、靴選びは登山靴の選び方とおすすめで詳しく紹介しています。
- 6〜9月(夏):山の様子 樹林帯は涼しく、山頂は風で冷える / とくに要るもの 速乾の肌着、薄手の上着、レインウェア、水を多めに
- 10〜11月(秋・初冬):山の様子 10月頃から雪、朝晩は凍結 / とくに要るもの フリースや化繊の中綿、手袋、ニット帽、チェーンスパイク、ヘッドライト
- 12〜4月(冬):山の様子 積雪。樹林帯を出ると強風、夏道が消える / とくに要るもの 冬用登山靴、アイゼン、ダウン、冬用グローブ。雪山経験者向け
- 5月(残雪期):山の様子 山頂付近に雪が残る / とくに要るもの チェーンスパイクや軽アイゼン、防寒着
11月に編笠山へ行くなら
- 足元:凍った岩や薄い雪に備えて、チェーンスパイクを持っていきましょう。
- 手:岩をつかむ場面があるので、指先まで冷やさない登山用の手袋が要ります。濡れたときの予備もあると安心です。
- 保温着:山頂での休憩用に、ダウンジャケットか化繊の中綿ジャケットを。歩くときは汗をかきすぎないよう、通気性のよい保温着を重ねます。
- 明かり:日の入りが早いのでヘッドライトは必ず。
歩いている間に着たまま体温を保てる保温着として、POLARTEC アルファダイレクトを使ったジャケットがあります。風を通しやすく蒸れにくいので、11月の樹林帯の登りで汗冷えを防ぎたい人に向いています。
山頂の風で手がかじかむと、写真を撮るのも食事をするのもつらくなります。薄手で暖かい手袋をひとつ持っておくと、11月の編笠山で役に立ちます。
山頂直下の岩の道や、長い下りでひざを守るにはトレッキングポールが便利です。軽いカーボン製なら、岩場でザックに付けても負担になりません。
おすすめ温泉情報
延命の湯
小淵沢インターから観音平・富士見高原間に位置する温泉で、下山後に立ち寄りやすく、岩風呂・露天・サウナと、登山の疲れをゆっくり癒せるのが魅力です。道の駅にあるので、温泉に浸かった後は自分のご褒美とお土産を買って帰れるので、登山者にはとてもありがたいスポットです。
よくある質問
編笠山は初心者でも登れますか?
観音平から登る場合、鎖場などの難所はなく、頂上までの標高差は約1,000mと、初心者の方でも登れる難易度です。ただし山頂直下は岩の道になり、標高も2,500mを超えます。日帰りの山歩きに何度か慣れてから挑戦すると安心です。初めての登山なら、まず登山初心者の始め方も読んでみてください。
何時間かかりますか?
観音平から山頂までの片道の目安は3時間10分で、往復で6時間前後になります。富士見高原からは片道3時間50分が目安です。休憩の時間を足して、明るいうちに下山できるよう計画しましょう。
トイレはありますか?
観音平と富士見高原の登山口にトイレがあります。山中では青年小屋が営業している期間に使えます。
冬は登れますか?
積雪期は観音平への道路が閉鎖されるため、富士見高原から登るのが主になります。冬用のウェアからアイゼンなど雪山装備が必要で、樹林帯を越えると風が強くなったり夏道が消えて基本的な地図読みも必須となりますが、十分な経験と知識があれば初級の雪山として楽しめます。雪山が初めてなら、経験者と一緒に行きましょう。
11月に行っても大丈夫ですか?
11月は雪や凍結が始まり、青年小屋も営業を終える時期です。観音平への道路も下旬には閉鎖されることが多いので、天気予報と道路情報を確かめ、チェーンスパイク・手袋・防寒着を持っていきましょう。
ほかの八ヶ岳の山もあわせて
編笠山に登ったら、八ヶ岳のほかの山にも足をのばしてみましょう。
編笠山で八ヶ岳の自然を満喫しよう

編笠山は八ヶ岳の南端に位置する山で、急峻なイメージの南八ヶ岳エリアにおいて、登りやすく眺望に優れた山です。日帰りがメインですが、青年小屋を利用することで宿泊山行も楽しめ、テント泊初心者の方でも安心して挑戦でき、八ヶ岳縦走のスタート地点として位置する山であるなど、多様な目的を持って登れる魅力を持っています。
編笠山に登って、八ヶ岳の自然を存分に満喫してくださいね。
※本記事の作成にはAIを活用し、製品の仕様は各公式サイトの掲載情報(確認日時点)と照合しています。






