この記事の要点:岩手山の代表コースは馬返し登山口からの「柳沢コース」で、歩行時間は約8時間が目安の長いコースです(日帰りは体力のある人向け、初心者は8合目避難小屋泊も検討)。噴火警戒レベルは2026年8月27日に1へ引き下げられましたが、西側(県民の森・姥倉山分岐・犬倉山分岐)では立入規制が続いています。11月は雪と強風の冬山になるため、初心者は来年の夏シーズンに登りましょう。
(2026年11月2日更新:噴火警戒レベルの引き下げと西側登山道の立入規制など最新の登山情報、季節ごとの服装・持ち物、よくある質問を加えました)
岩手県最高峰の岩手山。火山の息吹を感じられる風景、荒れた土地に凛と咲くコマクサなど、見どころがたくさんある山です。ここでは、岩手山の魅力やおすすめの登山コースについてご紹介します。
最新の登山情報(2026年11月2日確認)
- 噴火警戒レベル1に引き下げ:仙台管区気象台は2026年8月27日11時、岩手山の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げました。レベル2は2024年10月2日から続いていました。ただし想定火口内では火山ガスや熱水などが突然噴き出す可能性があり、特に大地獄谷付近は火山ガスの噴出や地熱の高まりがあるため注意が呼びかけられています。出典:気象庁「岩手山の噴火警戒レベルを2から1へ引下げ」
- 西側の登山口は立入規制が続く:火山活動が比較的活発な西側では、安全確認のため立入規制が続いています。規制が続く入口は、県民の森登山口(八幡平市)、姥倉山分岐(八幡平市)、犬倉山分岐(雫石町)です。この記事で紹介する七滝コース(県民の森登山口)は現在通れません。規制区域には絶対に立ち入らないでください。出典:林野庁 盛岡森林管理署「岩手山の入山規制」(問い合わせ:盛岡森林管理署 019-663-8001)
- 東側のコース:馬返し登山口からの柳沢コースや、焼走りコースなど東側の登山口は、上記の規制の対象として挙げられていません。出発前に気象庁と森林管理署の最新情報を必ず確認してください。
- 11月以降は冬山:岩手山は標高2,038mの独立峰で、晩秋から春は積雪・凍結と強い風の冬山になります。冬山の装備と経験がない方は登らないでください。
- クマ:東北の山ではツキノワグマに注意が必要です。クマ鈴を付け、早朝・夕方の行動は控えめにしましょう。
岩手山ってどんな山?
岩手山は、東側に綺麗な裾野を長く引く形をしているため『南部片富士』、『南部富士』という別名があります。その風格あるたたずまいから、岩手県のシンボルとして親しまれています。また、『焼走り溶岩流』や『岩手山高山植物帯』は国の特別天然記念物に指定されており、火山である姿を色濃く残している山なのです。
- 場所:岩手山(いわてさん) 岩手県八幡平市・滝沢市・雫石町にまたがる
- 標高:岩手山(いわてさん) 2,038m
- 噴火警戒レベル:岩手山(いわてさん) 1(2026年8月27日〜。西側は立入規制継続)
- 天気・アクセス:岩手山(いわてさん) 岩手山の詳細情報
南部片富士とも呼ばれる【岩手山】の魅力
風格あるたたずまいの岩手山。以下では、岩手山の魅力をシンプルにご紹介します。
迫力満天のお鉢めぐり

岩手山山頂には大きな火口があり、火口まわりを歩くお鉢めぐりが楽しめます。火口まわりは1周するのに約1時間ほど(目安)。山頂からはぐるりと岩手の風景、北東北の山々が眺望できる好展望です。
風化せずに残る【焼走り溶岩流】

焼走り溶岩流 出典いわての旅:岩手県観光ポータルサイト (iwatetabi.jp)
岩手山の北東側に、扇状に広がる『焼走り溶岩流』が見られます。溶岩流は長さ約3km、最大幅1kmにおよび、緑あふれる周囲とは全く別の荒涼とした風景が広がります。ふもとには溶岩流観察路があるため、立ち寄って歩いていくのもよいでしょう。焼走りコースの中腹からは、焼走り溶岩流を見渡せます。
植生の移り変わりが楽しめる【岩手山高山植物帯】

岩手山9合目の不動平と山頂の植生は、『岩手山高山植物帯』として国の特別天然記念物に指定されています。不動平はハイマツ帯や多くの高山植物が植生するのに対し、山頂付近は噴火の影響で限られた植物しか植生しません。山頂に植生する代表的な高山植物がコマクサで、7月~8月中旬には群生が見られます。
岩手山の登山コース(初心者・中級者・上級者向け)
岩手山にはそれぞれ個性的な登山道が7本あり、入山ルートと下山ルートを組み合わせることで何通りもの登山が楽しめるのが特徴です。ここでは、おすすめの登山コースを3つに絞ってご紹介します。どのコースも標高差が大きく、「初心者向け」といっても体力が必要な山です。
- 柳沢コース:レベル 初心者(体力のある人)〜中級者 / 登山口 馬返し登山口 / 歩行時間の目安 約8時間 / 現在の状況 規制の対象外(要最新確認)
- 焼走りコース:レベル 中級者 / 登山口 焼走り登山口 / 歩行時間の目安 下のルート図を参照 / 現在の状況 規制の対象外(要最新確認)
- 七滝コース:レベル 上級者 / 登山口 県民の森(七滝登山口) / 歩行時間の目安 約10時間30分(休憩除く) / 現在の状況 立入規制中
【初心者〜中級者向け】岩手山のメインコース「柳沢コース」

馬返し登山口から登る柳沢コースは、古くから信仰登山の表参道として使われた、岩手山の代表的なコースです。2.5合目あたりから旧道と新道の分岐がありますが、あまり距離は変わらず7合目で合流します。旧道は岩場の道で、新道は低木帯の道です。歩行時間が約8時間(目安)と長く、標高差も大きいので、体力に不安のある方は8合目避難小屋で1泊する行程を組むとよいでしょう。
- 注意する所:上部は火山礫のザレた道で、下りで滑りやすい。山頂付近は風をさえぎるものがありません。
- 日の短い秋は、ヘッドライトを必ず持ちましょう。
▼岩手山8合目避難小屋の詳細はこちらから
山岳 | 岩手県山岳・スポーツクライミング協会 (iwatesankyo.or.jp)
※総所要時間は休憩時間の1時間38分を含む
【中級者向け】コマクサの花畑ロード「焼走りコース」

柳沢コースと並んで、人気なのが焼走りコース。中腹の第二噴出口からの眺めがよく、北上高地や焼走り溶岩流を見渡せます。また、樹林帯を抜けるとコマクサ群生地があり、見頃の時期には花畑ロードとなり、花を愛でながら山登りを楽しめるでしょう。
※総所要時間は休憩時間54分を含む
【上級者向け・現在立入規制中】バリエーションに富む長距離の「七滝コース」

※2026年11月2日現在、七滝コースの入口となる県民の森登山口は立入規制が続いています。規制が解除されるまで登れません。
いくつかあるコースのなかでも一番長距離になりますが、その分見どころが多いコースです。登山口から約40分登ったところには『大滝展望台』があり、落差20mを超える七滝の迫力ある姿が見れます。ほかにも、御苗代湖や御釜湖の湖沼、火山の息吹を感じられる『大地獄谷』などの見どころがあります。大地獄谷付近は火山ガス発生地帯なので、登山道を外れて歩かないようにしましょう。
※標準の歩行時間(休憩時間は含まず)は約10時間30分です
アクセスと駐車場
岩手山の各登山コースにおける登山口へのアクセス方法について解説します。バスや鉄道の時刻は変わることがあるので、出発前に最新の情報を確認してください。
登山口のマップはこちらから
馬返し登山口(柳沢コース)へのアクセス方法
・マイカー
東北自動車道 滝沢I.C.より車で約15分(約10km)
・電車/タクシー
盛岡駅~滝沢駅 IGRいわて銀河鉄道で約15分
滝沢駅~馬返し登山口 タクシーで約20分
焼走り登山口(焼走りコース)へのアクセス方法
・マイカー
東北自動車道 西根I.C.より車で約10分(約7km)
・電車/タクシー
盛岡駅~好摩駅 IGRいわて銀河鉄道で約25分
好摩駅~大更駅 JR花輪線で約10分
大更駅~焼走り登山口 タクシーで約20分
七滝登山口(七滝コース)へのアクセス方法
※現在、県民の森登山口は立入規制中です。
・マイカー
東北自動車道 松尾八幡平I.C.より車で約20分(約11km)
・電車/バス
盛岡駅~県民の森バス停 岩手県北バス(松川温泉行)で約1時間45分
県民の森~七滝登山口 徒歩約10分
▼岩手県北バスの詳細はこちらから
岩手県北バス(公式サイト)
季節ごとの服装と持ち物
岩手山は森林限界を超えると風を防ぐものがなく、夏でも山頂は冷えます。長いコースなので、水と行動食も多めに。服装と持ち物の基本は登山の服装と登山の持ち物、靴選びは登山靴の記事を参考にしてください。
- 6〜7月:山の様子 上部に残雪が残ることも。コマクサの季節 / 服装・持ち物のポイント 防水の登山靴、レインウェア、薄手のフリース。残雪があれば軽アイゼンやチェーンスパイク
- 8月:山の様子 日差しが強く、上部は風が強い / 服装・持ち物のポイント 帽子、日焼け止め、水分を多めに(2L以上を目安に)
- 9〜10月:山の様子 紅葉。朝晩の冷え込み、初冠雪の年も / 服装・持ち物のポイント 手袋、ニット帽、ダウン、ヘッドライト
- 11月〜春:山の様子 冬山 / 服装・持ち物のポイント 冬山装備と経験が必要。初心者は登らない
森林限界より上の長い登りでは、汗をかいても蒸れにくい保温着が便利です。山旅ショップのアルファダイレクトのジャケットは軽く通気性が高く、秋の行動着に合います。
山頂の風で指先が冷えるときは、薄手のウールの手袋が役立ちます。
頭からの放熱を防ぐニット帽も、秋の岩手山ではザックに入れておきたい小物です。
岩手山下山後の山旅スポット
岩手山下山後に立ち寄りたい山旅スポットとして、『網張温泉』をご紹介します。網張温泉は岩手山のふもとにある温泉地で、『網張五湯』と呼ばれる5つのお風呂があります。内湯や露天、野天など、それぞれ趣きが異なるお風呂が楽しめるのが魅力です。網張温泉地に宿泊して、ゆっくり湯めぐりを楽しむのもよいでしょう。
- 住所:休暇村岩手網張温泉 岩手郡雫石町網張温泉
- 泉質:休暇村岩手網張温泉 単純温泉 / 硫黄泉(硫化水素型)
- 日帰り入浴:休暇村岩手網張温泉 料金・時間は公式サイトでご確認ください
▼網張温泉の詳細はこちらから
網張温泉 | 休暇村岩手網張温泉【公式】 (qkamura.or.jp)
よくある質問
岩手山は初心者でも登れますか?
柳沢コースは道がわかりやすく多くの人が登りますが、歩行時間が約8時間(目安)、標高差も大きい山です。初心者は日の長い夏に、体力に余裕を持って計画しましょう。8合目避難小屋に泊まる計画にすると楽になります。
何時間かかりますか?
柳沢コースの往復で約8時間が目安です。休憩を入れると9〜10時間ほどになることもあるので、早朝に出発しましょう。焼走りコースは下のルート図の記録を参考にしてください。
噴火の心配はありませんか?
2026年8月27日に噴火警戒レベルは1に下がりましたが、活火山であることに変わりはありません。大地獄谷付近では火山ガスに注意が必要で、西側の登山口は立入規制が続いています。登る前に気象庁と森林管理署の最新情報を確認しましょう。
冬は登れますか?
11月ごろからは積雪や凍結、強風の冬山になり、冬山の装備と経験が必要です。初心者は雪が解けた夏〜秋に登りましょう。
トイレはありますか?
登山口や避難小屋のトイレの有無・使える期間は場所や季節で異なります。携帯トイレを持っておくと安心です。
岩手山の魅力、おすすめの登山コース3つについてご紹介しました。岩手山は日帰りでの登山も可能ですが、8合目避難小屋に1泊すると、ゆっくり登山を楽しめます。コマクサの群生が見事なので、見頃に合わせて登るのがおすすめです。下山後は網張温泉で一息ついて、ゆっくり疲れを癒していくとよいでしょう。
※本記事の作成にはAIを活用し、製品の仕様は各公式サイトの掲載情報(確認日時点)と照合しています。





