この記事の要点:比叡山(大比叡848m)に初めて登るなら、滋賀県側の坂本から延暦寺の旧表参道を登る「本坂ルート」がおすすめです。休憩・参拝を除いて往復約3時間、道は広くて迷いにくく、延暦寺の参拝も一緒に楽しめます。11月は紅葉の見ごろで日が短く、12月以降は叡山ケーブルが冬期運休・登山道に雪が残る日もあるので、早めの出発と防寒・滑り止めの準備をしましょう。
(2026年11月2日更新:叡山ケーブル・坂本ケーブルの最新の運行・運賃を公式情報で確かめ、季節ごとの服装と持ち物、よくある質問を追加しました)
比叡山は滋賀県大津市と京都市にまたがる山で、大比叡(848m)と四明岳(839m)の2つのピークをもつ双耳峰です。京都から眺めると左右のバランスがよい姿に見えることから「都富士」とも呼ばれます。古くから信仰の山として多くの人が行き来してきたため登山道がよく整備されていて、登山を始めたばかりの人が最初に選ぶ山としても人気です。

- 標高:比叡山(ひえいざん) 848m(大比叡)
- 所在地:比叡山(ひえいざん) 滋賀県大津市・京都府京都市
- 主な登山口:比叡山(ひえいざん) 坂本(滋賀県側)、雲母坂(京都側・修学院)
- 難易度:比叡山(ひえいざん) 初心者向け
- 詳細情報:比叡山(ひえいざん) 比叡山の地図・天気
最新の登山情報(2026年11月2日確認)
比叡山は、ケーブルカーやロープウェイを使った登り・下りの組み合わせもできる山です。運行状況は季節で変わるので、出かける前に公式情報を確かめてください。
- 叡山ケーブル・ロープウェイ(京都側・八瀬〜比叡山頂):冬は運休します。2026年は3月20日に運行を再開し、開業100周年にあわせて車内デザインが新しくなりました。冬期運休の始まる日は京福電気鉄道・京阪の公式で確認してください。ケーブルは約1.3kmを約9分、ロープウェイは486mを約3分で結びます。(出典:京阪電車「叡山ケーブル・ロープウェイ運転スタート」、京福電気鉄道の案内)
- 坂本ケーブル(滋賀側・ケーブル坂本〜ケーブル延暦寺):2026年4月1日から運賃が改定され、大人片道960円・往復1,830円、小児片道480円・往復920円になりました。運行は毎時00分・30分発(混雑時は増発)、所要約11分です。始発・最終は季節で変わります。「延暦寺・坂本周遊1日乗車券」は2026年12月7日発売分から価格が改定されます。(出典:比叡山鉄道「運賃改定のお知らせ」、坂本ケーブル パンフレット)
- 延暦寺:境内の拝観には拝観料が必要です。拝観時間は季節で変わり、根本中堂は長く大改修が行われてきました。最新の拝観状況は延暦寺の公式サイトで確かめてください。
11月の比叡山は紅葉の季節です。日没が早く、16時を過ぎると山道は暗くなり始めます。下りにケーブルを使う予定なら最終便の時刻を、歩いて下りる予定なら日没の1時間前には下山できる計画にしましょう。
比叡山の魅力
比叡山は天台宗の総本山・延暦寺のある山として全国に知られています。延暦寺は最澄が開いた寺で、のちに日本仏教の各宗派を開いた多くの僧がここで学びました。歴史ある仏教の史跡と、整備された登山道の両方を楽しめるのが比叡山の大きな魅力です。
魅力その①京都と琵琶湖の眺めが楽しめる

市街地に近いため、西側には京都の街並み、東側には琵琶湖の湖面が広がります。登山道の途中にも眺めのよい場所が点在していて、登る楽しみが続きます。
魅力その②世界遺産の延暦寺を参拝できる

延暦寺は1200年以上の歴史がある寺で、境内は東塔・西塔・横川の3つのエリアに分かれています。すべてを回ると1日がかりになるので、登山と組み合わせるなら東塔エリアに絞るのがおすすめです。
- 根本中堂(延暦寺の総本堂)
- 大講堂
- 阿弥陀堂
- 法華総持院東塔
魅力その③冬の低山歩きの入門にも

比叡山の登山道は急な登りが少なく、冬に雪が残っても、滑り止めなどの装備を整えれば比較的歩きやすい山です。冬の低山に初めて挑戦する人の練習の場としても向いています。
▼アイゼンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
比叡山の登山コース(初心者・中級者向け)
比叡山の登山道は、延暦寺へ向かう道として長い時代をかけて整えられてきました。迷いやすい場所は少なく、滋賀県側からも京都側からも登れます。ピストン(往復)でも、反対側へ下りる縦走でも楽しめます。
- 本坂ルート(坂本〜延暦寺〜大比叡の往復):レベル 初心者 / 総コースタイム 約3時間(休憩・参拝を除く) / 距離 9.4km / 累積標高 733m
- 雲母坂ルート(修学院〜大比叡〜延暦寺〜坂本の縦走):レベル 初心者〜中級者 / 総コースタイム 約4時間50分(休憩・参拝を除く) / 距離 13.1km / 累積標高 876m
- ケーブル併用(ケーブル延暦寺駅〜延暦寺〜大比叡):レベル 家族連れ・体力に不安がある人 / 総コースタイム 短時間 / 距離 短い / 累積標高 少ない
※コースタイム・距離・累積標高は編集部が歩いたときのGPS記録です。
【初心者向け】坂本〜延暦寺の本坂ルート(往復)
延暦寺のかつての表参道を登って大比叡を目指すルートです。道幅が広く、比叡山で最初に歩くならこのコースがおすすめです。
①坂本比叡山口駅→10分→②日吉大社→1時間50分→③延暦寺→(参拝)→④大比叡→20分→⑤延暦寺→1時間→⑥日吉大社→10分→⑦坂本比叡山口駅
- 総コースタイム:日帰り 5時間30分(休憩・参拝2時間30分を含む)
- 距離:日帰り 9.4km
- 累積標高:日帰り 733m
- 難易度:日帰り ★☆☆☆☆
- 注意する所:日帰り 日吉大社の先の石段が続く登り
スタートは京阪石山坂本線の坂本比叡山口駅です。

駅から10分ほど歩くと日吉大社に着きます。日吉大社は全国の日吉・日枝・山王神社の総本宮で、東本宮と西本宮の本殿は国宝です。織田信長の焼き討ちのあと、安土桃山時代に再建されました。


日吉大社を抜けて延暦寺を目指します。しばらく石段などの登りが続き、ここがこのルートでいちばんきつい区間です。

坂の途中には琵琶湖を眺められる場所があります。

坂を登り切ると本格的な山道です。かつての表参道なので道幅が広く、ゆるやかな登りが続きます。木々の切れ間から琵琶湖が見え、やがて舗装路に出ると延暦寺の根本中堂が現れます。

延暦寺では大黒堂・文殊楼・大講堂などを参拝しました。


さらに阿弥陀堂と法華総持院東塔を見て、大比叡へ向かいます。

延暦寺から約30分のゆるやかな登りで大比叡の山頂に着きます。山頂は木に囲まれていて眺めはありません。眺めを楽しむなら、延暦寺周辺やケーブル比叡駅近くの展望所がおすすめです。帰りは同じ道を坂本へ下ります。

体力に不安があるときは、帰りだけ坂本ケーブルを使う方法もあります。ケーブル延暦寺駅からケーブル坂本駅まで約11分です。
【初心者〜中級者向け】修学院〜雲母坂〜大比叡〜坂本の縦走ルート
京都側の古道「雲母(きらら)坂」から大比叡に登り、延暦寺を経て滋賀県側へ下りる縦走です。本坂ルートより人が少なく、静かな山歩きを楽しめます。
①修学院駅→20分→②雲母坂登山口→1時間40分→③ケーブル比叡駅→40分→④大比叡→20分→⑤延暦寺→(参拝)→⑥日吉大社→20分→⑦比叡山坂本駅
- 総コースタイム:日帰り 5時間50分(休憩・参拝1時間を含む)
- 距離:日帰り 13.1km
- 累積標高:日帰り 876m
- 難易度:日帰り ★★☆☆☆
- 注意する所:日帰り 雲母坂の掘れた道(雨のあとは滑りやすい)、延暦寺から坂本への長い下り
叡山電鉄の修学院駅から歩いて約20分で雲母坂の登山口です。

登山道に入ると、整備されてはいるものの、やや急な坂が始まります。親鸞も歩いたと伝わる歴史ある道です。

傾斜がゆるむと「水飲対陣之跡」の碑が現れます。南北朝時代に後醍醐天皇方の千種忠顕が戦死した地とされる場所です。

出典:京都市
ここから京都一周トレイルのルートに合流します。京都の街並みが見える場所を過ぎ、さらに登ると叡山ケーブルの比叡駅です。


駅のそばの広場からは京都盆地を一望できます。

しばらく舗装路を歩いて再び山道に入り、坂を登り切ると大比叡の山頂です。休憩したら延暦寺を参拝し、日吉大社を経てJR比叡山坂本駅へ下ります。

叡山ケーブルが運行している時期なら、登りの代わりにケーブルとロープウェイを使い、下りだけ歩くこともできます。冬期運休中は使えないので注意してください。
アクセスと駐車場
滋賀県側(坂本)は観光駐車場があり車でも行きやすい一方、京都側(雲母坂)は登山者用の駐車場がないので電車がおすすめです。縦走する場合も電車が便利です。
坂本(本坂ルート)へのアクセス
- 登山口まで:京阪石山坂本線「坂本比叡山口」駅、またはJR湖西線「比叡山坂本」駅(JR大津駅から約20分) JR比叡山坂本駅から約1.2km・徒歩約20分
- 車:京阪石山坂本線「坂本比叡山口」駅、またはJR湖西線「比叡山坂本」駅(JR大津駅から約20分) 名神高速 京都東ICから国道161号・県道47号経由
- 駐車場:京阪石山坂本線「坂本比叡山口」駅、またはJR湖西線「比叡山坂本」駅(JR大津駅から約20分) 登山口近くに大宮川観光駐車場あり。台数・料金は変わることがあるので事前に確認
- 登山届:京阪石山坂本線「坂本比叡山口」駅、またはJR湖西線「比叡山坂本」駅(JR大津駅から約20分) 登山口にポストがないため、警察署への提出やコンパスでのオンライン提出を
雲母坂(京都側)へのアクセス
- 登山口まで:叡山電鉄「修学院」駅(JR京都駅から乗り継ぎ約45分) 修学院駅から約1.4km・徒歩約20〜25分
- 車:叡山電鉄「修学院」駅(JR京都駅から乗り継ぎ約45分) 登山者用の駐車場はなし。修学院駅周辺のコインパーキングを利用
- トイレ:叡山電鉄「修学院」駅(JR京都駅から乗り継ぎ約45分) 登山口にはないので、駅で済ませておく
ケーブルカー・ロープウェイ
- 坂本ケーブル:ケーブル坂本駅〜ケーブル延暦寺駅、約11分。毎時00分・30分発。
- 叡山ケーブル・ロープウェイ:八瀬〜比叡山頂。冬期は運休。
季節ごとの服装と持ち物
比叡山は848mの低山ですが、山頂付近は麓の京都・大津より気温が低く、冬は雪が残ります。服装の基本は登山の服装(気温別)、持ち物は登山の持ち物チェックリストを見てください。
春・秋(4〜5月・10〜11月)
- 歩くと汗ばみ、休むと冷える季節。速乾性のある長袖ベースレイヤーに、薄手の保温着と防風着を重ねます。
- 11月は日が短いので、ヘッドライトを必ず持ちます。
- 足元は、雨のあとの雲母坂のぬかるみに備えて、靴底のしっかりした登山靴を。登山靴の選び方も参考に。
夏(6〜9月)
- 樹林帯は蒸し暑いので、汗が乾きやすい半袖と、水を多めに。
- 夕立に備えてレインウェアを。
冬(12〜3月)
- 登山道に雪や凍結が残る日があります。チェーンスパイクを持っていきましょう。
- 手袋(登山用手袋の選び方)とニット帽、休憩用のダウンジャケット。
- 叡山ケーブルは冬期運休のため、京都側は歩いて登り下りする計画にします。
低山歩きでは、登りで汗をかき、延暦寺の参拝や山頂の休憩で一気に体が冷えます。POLARTEC アルファダイレクト60 ULジャケットは、通気性があって歩きながら着たままにできる薄手の保温着なので、晩秋〜冬の比叡山のように「歩く・止まる」をくり返す山に合います。
肌に直接着る1枚は、汗冷えしにくい素材を選ぶのが基本です。Ridge Merino(リッジメリノ)のミッドウェイト・ロングスリーブシャツは、ナイロンを芯にしたメリノウールの長袖で、秋〜冬の低山のベースレイヤーとして使えます。
朝の冷え込みや、冬に雪の付いた手すりや木をつかむ場面では、薄手のトレッキンググローブがあると安心です。
よくある質問
Q. 比叡山は初心者でも登れますか?
A. 登れます。坂本からの本坂ルートは道幅が広く迷いにくいので、登山を始めたばかりの人にも向いています。ただし標高差は約700mあり、ケーブルを使わずに歩くと思ったより脚を使います。登山初心者の始め方もあわせて読んでみてください。
Q. 何時間かかりますか?
A. 本坂ルートの往復で約3時間(休憩・参拝を除く)、休憩と延暦寺の参拝を入れると5〜6時間が目安です。雲母坂から坂本への縦走は約5〜6時間です。
Q. 比叡山と高尾山ではどちらがきついですか?
A. 歩いて登る場合、比叡山のほうが標高差が大きく、きつく感じる人が多いでしょう。高尾山の登り方は高尾山の登山ガイドで紹介しています。
Q. 延暦寺の参拝とあわせるなら、京都側と滋賀県側どちらから登るのがよいですか?
A. 延暦寺は大津市側にあるため、滋賀県側(坂本)から登るほうが参拝の時間をとりやすくおすすめです。東塔・西塔・横川をすべて回ると数時間かかるので、登山と組み合わせるなら東塔エリアに絞りましょう。
Q. トイレはありますか?
A. 延暦寺の境内やケーブルの駅周辺にあります。雲母坂の登山口にはないので、修学院駅で済ませておきましょう。
Q. 冬の比叡山は雪がありますか?
A. 冬は登山道に雪が残ることがあります。チェーンスパイクなどの滑り止めを準備して出かけてください。叡山ケーブルは冬期運休です。
比叡山のおすすめ山旅スポット
延暦寺の周辺や麓には、登山の前後に立ち寄りたいお店や施設があります。営業日・営業時間は各施設の公式情報で確かめてから出かけてください。
手打蕎麦 鶴㐂

出典:手打 鶴㐂 蕎麦
坂本にある手打ちそばのお店です。枯山水の中庭を眺めながら、そば本来の味を楽しめます。
喫茶れいほう

出典:延暦寺会館公式
延暦寺会館にある喫茶店で、店内から琵琶湖を眺められます。参拝のあとのひと休みにどうぞ。
おごと温泉駅前 六角足湯

出典:おごと温泉
JR湖西線おごと温泉駅の前にある足湯です。最澄が見つけたと伝わるおごと温泉を気軽に体験でき、下山後の脚を休めるのにぴったりです。
まとめ:比叡山は装備を整えて安全に楽しもう
比叡山は、世界遺産・延暦寺の参拝と、京都・琵琶湖の眺めを一度に楽しめる山です。初めてなら坂本からの本坂ルート、静かな道を歩きたいなら雲母坂からの縦走を選びましょう。秋は日の短さ、冬は雪とケーブルの運休に気をつけて、季節に合った装備で出かけてください。
※本記事の作成にはAIを活用し、製品の仕様は各公式サイトの掲載情報(確認日時点)と照合しています。






