この記事の結論:テント泊で使う500g以下のエアマットは、まず「季節に合うR値」で絞り、次に重さ・厚さ・価格で選びます。無雪期だけならR値2〜4の240〜470g、残雪期や冷え込む秋までならR値5以上で345〜477gのモデルが選べます。全長183cmで最軽量はNEMO テンサー エリート(240g)、R値がもっとも高いのは同じNEMOのテンサー エクストリームコンディションズ(R値8.5・472g)、価格がもっとも低いのはarata ASP-R7 マミー(18,480円・R値6.6)です。
(2026年11月6日更新:紹介するモデルを、旧版の8シリーズから「本体重量が500g以下」の17モデルに入れ替えました。旧版にあった500gを超えるモデル(ネオエアーXサーモ、イーサーライトXRプロ、モンベルのアルパインパッド・エクセロフト エアパッドなど)は外し、国内で廃番と表示されたモデルは後継や代わりのモデルに置き換えています。重さ・R値・価格はすべてメーカーまたは日本の正規取扱元の公式サイトで2026年11月6日に確かめています。12項目のスペック比較、季節と安全面の注意、軽くしていい所・いけない所、重さの差を値段に直した計算値、作り手の目線で見るお店での確認ポイント、よくある質問を加えました)
テント泊で地面からの冷えと凹凸をやわらげるのがテントマットです。この記事では、その中でも軽くて小さく収まるエアマットにしぼり、500g以下のモデルだけを集めて比較しています。全長183cm前後の13モデルと、さらに軽くできるショート丈・半身用の4モデルを、軽い順に紹介します。テントマット全体の選び方はテントマットのおすすめと選び方でまとめています。
登山用エアマットとは?ほかのマットとの違い
エアマットは、空気を入れて厚みを出すマットです。同じ重さなら3種類のマットの中でもっとも厚く、もっとも小さく収まりますが、穴があくと寝心地も断熱も失う弱点があります。

登山用エアマットは、空気を注入して膨らませることで地面の凹凸を吸収するマットです。軽量でコンパクトに収納できるため、荷物を少なくしたい縦走やテント泊で多く使われています。
クローズドセル・インフレータブルとの違い
テントマットは大きく3種類に分けられます。それぞれの特徴を項目ごとに並べると、次のとおりです。
エアマット
- 使用準備:空気を入れて膨らませる(ポンプサックや息で)
- 耐久性:穴があくと使えなくなる。修理キットが必要
- 収納性:非常にコンパクトでザックの中に入る
- 寝心地:厚みがありクッション性が高い
- 重さ:今回の記事のように200〜400g台のモデルが多い
- 価格:今回のモデルで1万円台〜4万円前後
クローズドセルマット
- 使用準備:広げるだけですぐ使える
- 耐久性:穴があいても断熱が失われない
- 収納性:かさばるため、ザックの外に付けることが多い
- 寝心地:薄めで硬め
- 重さ:軽量なものが多い
- 価格:比較的安い
インフレータブルマット(自動膨張式)
- 使用準備:バルブを開けると中のウレタンが膨らみ、足りない分を吹き足す
- 耐久性:穴があくと寝心地は落ちるが、中のウレタンが残る
- 収納性:エアマットよりは大きい
- 寝心地:厚みと硬さのバランスがよい
- 重さ:エアマットより重くなりやすい
- 価格:幅広い
エアマットは「寝心地」と「軽さ・小ささ」がいちばんの魅力で、クローズドセルは丈夫さと手軽さ、インフレータブルはその中間といえます。ほかの2種類は軽量クローズドセルマットの比較と軽量インフレータブルマットの比較で紹介しています。
エアマットのメリットとデメリット
エアマットは軽く・小さく・厚く・暖かくできる一方で、パンクと準備の手間、価格の高さという弱点があります。弱点は道具と使い方でかなり補えます。
メリット1:軽量でコンパクトに収納できる

空気を抜くと小さく巻けるため、ザックの中でもかさばりません。今回紹介するモデルは、収納時に直径10cm前後・長さ15〜25cmほどに収まります。
メリット2:厚みがあり、寝心地がよい

空気で6〜10cmほどの厚みが出るため、地面の凹凸や硬さを吸収します。体の痛みで目が覚めることが減り、翌日の行動に疲れを残しにくくなります。
メリット3:断熱(R値)の高いモデルを選べる

内部に熱を反射するフィルムを入れたモデルは、500g以下でもR値5〜8台に届きます。重さをほとんど増やさずに、春・秋の高いテント場や残雪期まで使える断熱を持てるのは、エアマットならではの利点です。
デメリット1:パンク・破損のリスクがある

いちばんの弱点は、とがった石や枝による穴あきです。穴があくと空気が抜け、断熱も寝心地も失われます。テント場ではテントを張る前に地面の小石を取り除き、マットの下にグランドシートや薄いフォームを敷くと安心です。今回紹介したモデルは、すべて修理用のパッチやキットが付属しています(クライミットは「リペアパーツ」)。
デメリット2:膨らませる・たたむ手間がかかる

使うたびに空気を入れ、朝は空気を抜いて巻く手間があります。ポンプサックが付属するモデルなら、息を吹き込むより短時間で膨らませられ、マットの中に湿気を入れずに済みます。
デメリット3:価格が高め
クローズドセルマットと比べると、価格は数倍になります。今回の17モデルでは14,300円〜38,500円で、軽さやR値を上げるほど高くなる傾向があります。どこにお金をかける価値があるかは、後半の計算値で整理しています。
500g以下のエアマットの選び方
選ぶ順番は「R値(季節)→長さと幅→厚さ→重さ→付属品と生地」です。軽さは最後に比べるほうが、季節に合わないマットを選ぶ失敗を防げます。
1. R値(断熱)で、使える季節を決める
R値は、地面に体温を奪われにくい度合いを数字にしたものです。数字が大きいほど冷えにくくなります。現在は多くのメーカーがASTM F3340という共通の試験方法の値を載せているため、ブランドをまたいで比べやすくなりました。目安は次のとおりです。
- R値2未満:夏の低〜中山域。標高の高いテント場では夜に冷えることがある
- R値2〜4:無雪期の3シーズン。秋の高いテント場では寝袋や服装で補う
- R値4〜6:春・秋の高いテント場、残雪期
- R値6以上:積雪期まで視野に入る。雪の上ではクローズドセルとの併用が前提
この目安は一般的な考え方で、寒がりかどうかや寝袋の性能によって変わります。クライミットの各モデルのように、R値の公式記載がないマットは、断熱を数字で比べられないため、夏向けと考えておくのが無難です。
2. 長さ・幅・形を決める

全長183cm前後が標準です。身長が170cm前後までなら、150cmや120cmのショート丈を選び、足元はザックで補うと、70〜140gほど軽くできます(モンベルのU.L.エアパッドは180cmが504g、150cmが431g、120cmが367g)。幅は51cm前後のマミー型が軽く、55〜58cmあると寝返りを打っても体が落ちにくくなります。
3. 厚さで寝心地を考える

今回のモデルの厚さは4〜10cmです。横向きで寝る人は、肩や腰が地面に当たりにくい8cm以上が安心です。仰向けで寝る人なら6cm前後でも不満は出にくいでしょう。厚いほど中の空気が多くなり、空気を入れる手間と収納サイズは大きくなります。
4. 重さは「本体のみ」でそろえて比べる

公式の重さには、本体だけの値と、スタッフバッグやポンプを含めた値があります。モンベルは「431g(455g)」のように両方を書いていますが、本体の値だけを載せるメーカーが多いため、この記事では本体の重さで比べています。実際に山へ持っていくのは「本体+袋+ポンプ+修理キット」で、数十g増える点も考えておきましょう。
5. ポンプ・バルブ・修理キットを確かめる
ポンプサックが付属していれば、息を吹き込まずに膨らませられます。息を入れるとマットの中に湿気がたまり、寒い時期は内部で凍ったり、保管中にカビの原因になったりします。修理用のパッチは全モデルに付属していますが、出発前に場所と使い方を確かめておきましょう。
季節・山域ごとの目安と注意
同じマットでも、季節と標高で感じ方は大きく変わります。テント場の標高と、その時期の夜の冷え込みを先に調べてから、R値を決めてください。
- 夏(7〜8月)の低〜中山域:R値1〜3のモデルで足りることが多い。テンサー エリートやウルトラスフィア 1.5、U.L.エアパッドなどの軽いモデルが活きる時期
- 夏でも標高の高いテント場:北アルプスなど標高2,500m前後のテント場では、夏でも夜は冷えることがある。R値3前後か、薄いフォームとの重ね使いを考える
- 春・秋(5〜6月、9〜10月):R値4〜5台が安心。ウルトラスフィア 5、テンサー オールシーズン、U.L.サーモ エアパッドなど
- 残雪期・積雪期:R値6以上(テンサー エクストリームコンディションズ、ASP-R7、エクリプス)に、クローズドセルを重ねる。マット1枚に頼らない
秋冬のテント泊での寒さ対策は秋冬登山のテントマットと寒さをしのぐTips、寝袋の選び方は登山用シュラフ・寝袋のおすすめも参考にしてください。
安全な軽量化:エアマットで削っていい所・削ってはいけない所
山旅旅は「安全な軽量化」を大切にしています。エアマットは装備の中でも軽くしやすい道具ですが、断熱と「穴があいたときの備え」は削ってはいけない所です。
削っていい所
- 長さ:150cmや120cmにして足元をザックで補う。U.L.エアパッドの例では70〜140g軽くなる
- 幅:寝返りが少ないなら、幅51cm前後のマミー型を選ぶ
- 厚さ:仰向けで寝るなら、10cmでなく6〜8cmでも寝心地は十分なことが多い
- 収納袋・ポンプの重複:ポンプを兼ねたスタッフバッグなら、袋を1つ減らせる
削ってはいけない所
- 季節に合ったR値:夜に眠れないほど冷えると、翌日の体力と判断力を奪う。夏用マットを秋の高いテント場に持っていかない
- 修理キット:パッチは数gしかない。家に置いていかない
- 雪の上でのバックアップ:積雪期にエアマット1枚だけで寝ると、パンクした瞬間に断熱がほぼゼロになる。薄いクローズドセルを1枚重ねる
- テント場の地面の確認:軽いマットほど生地が薄い。張る前に小石や枝を取り除く手間は省かない
軽くしすぎると危ない場面
天気が崩れて停滞が長くなるとき、風の強い稜線のテント場、季節の変わり目で予報より冷え込むときは、軽さを優先したマットが弱点になります。迷ったら、R値が1段高いマットを選ぶか、100g前後の薄いフォームを足すほうが安全です。R値は重ねると足し算で考えるのが一般的なので、夏用のエアマットに薄いフォームを重ねて、春・秋に対応させる方法もあります。
目的別のおすすめ:最軽量・最高R値・最安はどれ?
17モデルの中から、よくある疑問への答えを先にまとめます。数字はすべて公式の値です。
- 最軽量(全長183cm):NEMO テンサー エリート 240g(R値2.4)
- 最軽量(ショート丈を含む):クライミット イナーシャ X ライト 約145g(長さ約107cm)
- R値がもっとも高い:NEMO テンサー エクストリームコンディションズ R値8.5(472g)
- R値5以上でもっとも軽い:Rab ウルトラスフィア 5 345g(R値5.5)
- 全長183cmでもっとも安い:arata ASP-R7 マミー 18,480円(R値6.6)
- もっとも安い(ショート丈を含む):クライミット スタティック V ショート 14,300円
- 厚さがもっともある:エクリプス オールシーズン、イーサーライトXR、ASP-R7 マミーの10cm
500g以下のおすすめエアマット13選[全長183cm前後・軽い順]
全長183cm前後のレギュラーサイズで、本体重量が500g以下のモデルを軽い順に並べました。重さはすべてレギュラー(マミー)サイズの公式の値です。
NEMO テンサー エリート

今回の17モデルの中で、全長183cmクラスでいちばん軽いエアマットです。レギュラーマミーで240g、ショートマミー(51×160cm)なら215gまで軽くなります。生地は10デニールのCORDURAナイロンで、収納サイズは14×φ8cmと、ほかのテンサーの半分ほどの長さに収まります。
R値は2.4で、断熱フィルムは1枚です。夏から初秋の無雪期向けで、冷え込む季節に単独で使うマットではありません。生地が薄いぶん、テント内に小石や枝が残っていないかの確認と、下に薄いフォームやグランドシートを敷く工夫が、ほかのモデル以上に大切になります。
- 重さ:240g(レギュラーマミー)
- R値:2.4
- 価格(税込):35,200円
出典:NEMO Equipment Japan公式サイト(2026/11/6確認)
クライミット イナーシャ X フレーム

体が当たる所だけを空気の枠で支え、それ以外を大きく抜いた独特の形のエアマットです。全長約183cmで約272g、収納時は約φ8×15cmとかなり小さくなります。
厚さは約4cmで、今回の中では薄い部類です。R値は公式に記載がないため、断熱を数字で比べることはできません。穴の部分は地面からの冷えを直接受けるので、寒い時期は断熱マットの上に重ねる補助的な使い方を前提に考えてください。
- 重さ:約272g
- R値:公式記載なし
- 価格(税込):20,900円
出典:KLYMIT国内取扱元(ハイマウント)公式オンラインストア(2026/11/6確認)
Rab ウルトラスフィア 1.5

Rabのウルトラスフィアシリーズの夏向けモデルです。厚さ8cmと寝心地を確保しながら、レギュラーで310gに収まっています。ポンプサックと、リペアキット付きの巻き取り式スタッフサックが付属します。
R値は1.4で、今回の中でもっとも断熱が低いグループです。夏の樹林帯や低い山のテント場向けと割り切り、標高の高いテント場や秋以降は、下のウルトラスフィア 5など断熱の高いモデルを選んでください。使用時サイズは公式ページに記載がありませんでした。
- 重さ:310g(レギュラー)
- R値:1.4
- 価格(税込):26,400円
出典:Rab日本公式サイト(2026/11/6確認)
Rab ウルトラスフィア 5

2026年春夏に登場した、ウルトラスフィアの断熱モデルです。レギュラーで345g、R値5.5。今回の17モデルで「R値5以上」のマットの中ではもっとも軽く、重さあたりの断熱でも上位に入ります(後半の計算値を参照)。
Rabの公式ブログによると、独自の熱反射フィルム「TILT」を2層に増やし、上下の気室を互い違いに配置して内部の空気の対流を抑えています。バルブは裏側にあり、寝ているときや収納時に邪魔になりにくい作りです。旧モデルのウルトラスフィア4.5(R値4.3・370g)からは、軽くなったうえで断熱も上がっています。
- 重さ:345g(レギュラー)
- R値:5.5
- 価格(税込):27,500円
出典:Rab日本公式サイト(2026/11/6確認)
NEMO テンサー トレイル

テンサーシリーズの3シーズン向けモデルです。厚さ9cmで、レギュラーマミーは369g。底面に40デニールの生地を使い、上のエリートより地面側の生地を厚くしています。
R値は2.8で、夏山から初秋の無雪期に向きます。幅を64cmに広げたレギュラーワイドも491gと500g以内に収まるため、寝返りの多い人や肩幅の広い人はワイドも候補になります。
- 重さ:369g(レギュラーマミー)
- R値:2.8
- 価格(税込):27,500円
出典:NEMO Equipment Japan公式サイト(2026/11/6確認)
NEMO テンサー オールシーズン

テンサーの断熱を高めたモデルで、レギュラーマミー400gでR値5.4です。トレイルと同じ厚さ9cmのまま、重さの増加は31gにとどまります。
バルブはグローブをしたまま操作しやすいとされる「レイロー フラットバルブ」です。春や秋の標高の高いテント場で、夜間に冷え込む日でも1枚で対応しやすく、1枚目のマットとして迷ったときの基準になるモデルです。
- 重さ:400g(レギュラーマミー)
- R値:5.4
- 価格(税込):33,000円
出典:NEMO Equipment Japan公式サイト(2026/11/6確認)
シートゥサミット ウルトラライトXRマット

シートゥサミットの「ウルトラライト」の新しい世代のエアマットです。気室は151個に分かれ、厚さ6.5cm、R値3.6。レギュラーで415g、スモール(168cm)は390gです。
R値3.6あれば、無雪期の3シーズンを1枚で済ませやすくなります。ポンプサックとピローロック(対応する枕をずれにくくする仕組み)が付きます。レギュラーの価格は公式ページで確かめられなかったため、スモールの価格を参考に載せています。
- 重さ:415g(レギュラー)
- R値:3.6
- 価格(税込):レギュラーは公式ページで確認できず(スモール 20,460円)
出典:シートゥサミット国内正規輸入元(ブルーシープ)公式オンラインストア(2026/11/6確認)
クライミット スタティック V ライト エコ

V字の気室で体を支えるスタティックVシリーズの軽量版です。幅約58cm・厚さ約6cmで、約425g。幅は今回の183cmクラスで最も広いグループです。
R値は公式に記載がありません。同じシリーズで断熱材入りの「インシュレーテッド スタティック V ライト エコ」は約567gと500gを超えるため、今回は外しています。断熱を数字で確かめたい人は、R値の書かれたモデルを選んでください。
- 重さ:約425g
- R値:公式記載なし
- 価格(税込):24,200円
出典:KLYMIT国内取扱元(ハイマウント)公式オンラインストア(2026/11/6確認)
クライミット スタティック V2

スタティックVシリーズの定番モデルで、約454g・18,700円。183cmクラスの中では、arataのASP-R7に次いで価格が低いモデルです。
上のライト エコより約29g重く、価格は5,500円安い関係です。R値の記載がないため、夏のテント泊を中心に使い、秋以降は断熱マットと重ねる前提で選ぶと失敗が少なくなります。
- 重さ:約454g
- R値:公式記載なし
- 価格(税込):18,700円
出典:KLYMIT国内取扱元(ハイマウント)公式オンラインストア(2026/11/6確認)
NEMO エクリプス オールシーズン

NEMOの中で価格を抑えた断熱モデルです。厚さ10cm、R値6.2で、レギュラー460g・25,300円。上下とも40デニールの生地で、テンサーより生地に厚みを持たせています。
テンサー オールシーズンと比べると60g重い代わりに、R値は0.8高く、価格は7,700円低くなります。収納サイズは24×φ12cmと太めなので、ザックの中での収まりも確かめておくと安心です。
- 重さ:460g(レギュラー)
- R値:6.2
- 価格(税込):25,300円
出典:NEMO Equipment Japan公式サイト(2026/11/6確認)
シートゥサミット イーサーライトXRマット

厚さ10cmで、気室が細かく分かれた「エアスプラングセル」構造のエアマットです。レギュラー470g、R値4.1。公式ページによると、従来モデル(R値3.2)から断熱が上がっています。
幅55cmとゆとりがあり、横向きで寝る人でも腰や肩が地面に当たりにくい厚さです。断熱をさらに上げたイーサーライトXRプロ(R値7.4)はレギュラーで560gと500gを超えるため、今回は外しています。
- 重さ:470g(レギュラー)
- R値:4.1
- 価格(税込):31,680円
出典:シートゥサミット国内正規輸入元(ブルーシープ)公式オンラインストア(2026/11/6確認)
NEMO テンサー エクストリームコンディションズ

今回の17モデルでもっともR値が高い、R値8.5のエアマットです。それでもレギュラーマミーで472gと、500g以内に収まっています。
雪の上で寝る季節まで1枚で考えたい人の候補です。ただし雪の上では、パンクしたときに断熱を失う危険が大きいため、薄いクローズドセルマットを下に重ねる使い方をおすすめします(下の「安全な軽量化」の節を参照)。付属のポンプサックは約60gで、息を吹き込まずに膨らませられます。
- 重さ:472g(レギュラーマミー)
- R値:8.5
- 価格(税込):38,500円
出典:NEMO Equipment Japan公式サイト(2026/11/6確認)
arata ASP-R7 マミー

R値6.6を18,480円で実現しているモデルで、183cmクラスの中でいちばん価格が低いエアマットです。重さは477gと500gぎりぎりですが、厚さは10cmあります。
ポンプサックと収納袋に加え、1辺7cmの大きめのリペアシートが2枚付きます。同じシリーズの長方形の「レギュラー」は584gと500gを超えるので、500g以下で選ぶならマミー型です。
- 重さ:477g
- R値:6.6
- 価格(税込):18,480円
出典:arata公式オンラインストア(2026/11/6確認)
さらに軽くするショート丈・半身マット4選
長さを150cm以下にすると、同じシリーズでも数十〜100g以上軽くなります。足元はザックや空のスタッフバッグで補うのが前提です。
クライミット イナーシャ X ライト

長さ約107cmの、上半身用のエアマットです。約145gと、今回の17モデルでいちばん軽量です。肩から腰までを支え、足元はザックや空のスタッフバッグで補う使い方になります。
幅も約46cmと細いので、寝返りで体が落ちやすい点は理解しておきましょう。夏の短い縦走や、テントを持たないビバーク装備としての使い方が考えられます。
- 重さ:約145g
- R値:公式記載なし
- 価格(税込):17,050円
出典:KLYMIT国内取扱元(ハイマウント)公式オンラインストア(2026/11/6確認)
クライミット スタティック V ショート

スタティックVを長さ約127cmにしたモデルで、14,300円は今回の17モデルでいちばん低い価格です。生地は75デニールと、今回の中でも厚手です。
厚い生地のぶん、同じ長さ換算では軽さで不利になります。軽さよりも、テント場の地面に対する安心感と価格を重視する人向けです。
- 重さ:約383g
- R値:公式記載なし
- 価格(税込):14,300円
出典:KLYMIT国内取扱元(ハイマウント)公式オンラインストア(2026/11/6確認)
モンベル U.L.エアパッド 150

モンベルのエアマットの長さ150cm版です。431g・16,000円で、スタッフバッグが簡易ポンプを兼ねています。180cm版(504g)は500gを超えるため、今回は150cmを紹介します。
R値は1.4なので夏向けです。150cmは身長170cm前後の人なら、すねのあたりまでの長さで、足元はザックを敷いて補います。90cm版・120cm版もあり、120cmは367gです。
- 重さ:431g(スタッフバッグ込み455g)
- R値:1.4
- 価格(税込):16,000円
出典:モンベル公式オンラインストア(2026/11/6確認)
モンベル U.L.サーモ エアパッド 150

U.L.エアパッドに断熱用のサーモフィルムを入れたモデルで、R値は4.9です。150cm版は本体481g・19,000円で、R値4以上のマットの中では、ASP-R7 マミーに次いで低い価格です。
180cm版は563gと500gを超えます。本体重量が481gでも、スタッフバッグを含めると506gになる点も覚えておきましょう。公式の重さが「本体だけ」か「袋込み」かは、比べるときに必ずそろえてください。
- 重さ:481g(スタッフバッグ込み506g)
- R値:4.9
- 価格(税込):19,000円
出典:モンベル公式オンラインストア(2026/11/6確認)
17モデルのスペック比較(12項目)
全モデルを同じ12項目でそろえました。「R値1あたりの重さ」は山旅旅の計算値で、数字が小さいほど軽く断熱を持てるマットです。
全長183cm前後のモデル
NEMO テンサー エリート
- 重さ:240g(レギュラーマミー)
- R値:2.4
- R値1あたりの重さ:100g(計算値)
- 厚さ:7.6cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):51×183cm
- 収納サイズ:14×φ8cm
- 生地:10DのCORDURAナイロン
- 断熱材:サーマルミラー断熱フィルム1枚
- ポンプ・付属品:パッドポンプ付属
- 価格(税込):35,200円
- 向いている季節:夏山〜初秋(無雪期)
- 向いている人:1gでも軽くしたいULハイカー・夏の縦走
クライミット イナーシャ X フレーム
- 重さ:約272g
- R値:公式記載なし
- R値1あたりの重さ:算出不可(R値の公式記載なし)
- 厚さ:約4cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):約58×183cm
- 収納サイズ:約φ8×15cm
- 生地:表30Dポリエステル/裏75Dポリエステル
- 断熱材:公式記載なし
- ポンプ・付属品:付属品は収納ケース・リペアパーツ
- 価格(税込):20,900円
- 向いている季節:夏山(無雪期の低〜中山域)
- 向いている人:軽さ最優先で、夏に使う人
Rab ウルトラスフィア 1.5
- 重さ:310g(レギュラー)
- R値:1.4
- R値1あたりの重さ:221g(計算値)
- 厚さ:8cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):公式記載なし
- 収納サイズ:18×9cm
- 生地:20Dリサイクルポリエステル
- 断熱材:公式記載なし
- ポンプ・付属品:ポンプサック付属
- 価格(税込):26,400円
- 向いている季節:夏山(無雪期)
- 向いている人:厚みのある寝心地のまま、夏用に軽くしたい人
Rab ウルトラスフィア 5
- 重さ:345g(レギュラー)
- R値:5.5
- R値1あたりの重さ:63g(計算値)
- 厚さ:8cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):51×183cm
- 収納サイズ:18×9cm
- 生地:20Dリサイクルポリエステル(TPUコーティング)
- 断熱材:熱反射フィルム「TILT」2層
- ポンプ・付属品:ポンプサック付属
- 価格(税込):27,500円
- 向いている季節:春〜秋、残雪期(積雪期はフォーム併用)
- 向いている人:R値4以上を350g前後で持ちたい人
NEMO テンサー トレイル
- 重さ:369g(レギュラーマミー)
- R値:2.8
- R値1あたりの重さ:132g(計算値)
- 厚さ:9cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):51×183cm
- 収納サイズ:25.5×φ9.5cm
- 生地:20Dリサイクルナイロン/40Dナイロン(底面)
- 断熱材:サーマルミラー1枚
- ポンプ・付属品:パッドポンプ付属
- 価格(税込):27,500円
- 向いている季節:春〜秋(無雪期)
- 向いている人:無雪期の3シーズンを1枚で済ませたい人
NEMO テンサー オールシーズン
- 重さ:400g(レギュラーマミー)
- R値:5.4
- R値1あたりの重さ:74g(計算値)
- 厚さ:9cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):51×183cm
- 収納サイズ:25.5×φ10cm
- 生地:20Dリサイクルナイロン/40Dナイロン(底面)
- 断熱材:公式記載なし
- ポンプ・付属品:パッドポンプ付属
- 価格(税込):33,000円
- 向いている季節:春〜秋、残雪期(積雪期はフォーム併用)
- 向いている人:1枚で通年に近い使い方をしたい人
シートゥサミット ウルトラライトXRマット
- 重さ:415g(レギュラー)
- R値:3.6
- R値1あたりの重さ:115g(計算値)
- 厚さ:6.5cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):55×183cm
- 収納サイズ:19×10cm
- 生地:ハイブリッド30/40Dナイロン(TPUラミネート)
- 断熱材:サーマルコア(単層の反射フィルム)
- ポンプ・付属品:エアストリームポンプサック付属
- 価格(税込):レギュラーは公式ページで確認できず(スモール 20,460円)
- 向いている季節:春〜秋(無雪期)
- 向いている人:幅55cmの広さと3シーズンの断熱を手ごろに
クライミット スタティック V ライト エコ
- 重さ:約425g
- R値:公式記載なし
- R値1あたりの重さ:算出不可(R値の公式記載なし)
- 厚さ:約6cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):約58×183cm
- 収納サイズ:約φ7.6×20.3cm
- 生地:30Dポリエステル
- 断熱材:公式記載なし
- ポンプ・付属品:付属品は収納ケース・リペアパーツ
- 価格(税込):24,200円
- 向いている季節:夏山(無雪期)
- 向いている人:幅58cmで寝返りを打ちやすいマットがほしい人
クライミット スタティック V2
- 重さ:約454g
- R値:公式記載なし
- R値1あたりの重さ:算出不可(R値の公式記載なし)
- 厚さ:約6cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):約58×183cm
- 収納サイズ:約φ8×20cm
- 生地:30Dポリエステル
- 断熱材:公式記載なし
- ポンプ・付属品:付属品は収納ケース・リペアパーツ
- 価格(税込):18,700円
- 向いている季節:夏山(無雪期)
- 向いている人:初めてのエアマットを2万円以内で選びたい人
NEMO エクリプス オールシーズン
- 重さ:460g(レギュラー)
- R値:6.2
- R値1あたりの重さ:74g(計算値)
- 厚さ:10cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):51×183cm
- 収納サイズ:24×φ12cm
- 生地:40Dナイロン(上下とも)
- 断熱材:サーマルミラー2層
- ポンプ・付属品:パッドポンプ付属
- 価格(税込):25,300円
- 向いている季節:春〜秋、残雪期(積雪期はフォーム併用)
- 向いている人:R値6前後を2万円台で持ちたい人
シートゥサミット イーサーライトXRマット
- 重さ:470g(レギュラー)
- R値:4.1
- R値1あたりの重さ:115g(計算値)
- 厚さ:10cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):55×183cm
- 収納サイズ:φ11×20.5cm
- 生地:30/40Dナイロン(TPUラミネート)
- 断熱材:単層の反射フィルム
- ポンプ・付属品:公式記載なし
- 価格(税込):31,680円
- 向いている季節:春〜秋(無雪期)
- 向いている人:厚さ10cmの寝心地を最優先にしたい人
NEMO テンサー エクストリームコンディションズ
- 重さ:472g(レギュラーマミー)
- R値:8.5
- R値1あたりの重さ:56g(計算値)
- 厚さ:9cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):51×183cm
- 収納サイズ:25.5×φ10cm
- 生地:20Dリサイクルナイロン/40Dナイロン(底面)
- 断熱材:公式記載なし
- ポンプ・付属品:パッドポンプ付属(約60g)
- 価格(税込):38,500円
- 向いている季節:通年(積雪期・厳冬期まで)
- 向いている人:冬山や残雪期のテント泊もするので、最高の断熱がほしい人
arata ASP-R7 マミー
- 重さ:477g
- R値:6.6
- R値1あたりの重さ:72g(計算値)
- 厚さ:10cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):51×183cm
- 収納サイズ:φ10×22cm
- 生地:20Dナイロンリップストップ
- 断熱材:TPUフィルムと熱線反射PETフィルムの多層構造
- ポンプ・付属品:ポンプサック付属
- 価格(税込):18,480円
- 向いている季節:春〜秋、残雪期(積雪期はフォーム併用)
- 向いている人:高い断熱を2万円以内で手に入れたい人
ショート丈・半身のモデル
クライミット イナーシャ X ライト
- 重さ:約145g
- R値:公式記載なし
- R値1あたりの重さ:算出不可(R値の公式記載なし)
- 厚さ:約4cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):約46×107cm
- 収納サイズ:約φ6×14cm
- 生地:表30Dポリエステル/裏75Dポリエステル
- 断熱材:公式記載なし
- ポンプ・付属品:付属品は収納ケース・リペアパーツ
- 価格(税込):17,050円
- 向いている季節:夏山(無雪期)
- 向いている人:肩から腰だけを支えて、極限まで軽くしたい人
クライミット スタティック V ショート
- 重さ:約383g
- R値:公式記載なし
- R値1あたりの重さ:算出不可(R値の公式記載なし)
- 厚さ:約6cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):約58×127cm
- 収納サイズ:約φ8×20cm
- 生地:75Dポリエステル
- 断熱材:公式記載なし
- ポンプ・付属品:付属品は収納ケース・リペアパーツ
- 価格(税込):14,300円
- 向いている季節:夏山(無雪期)
- 向いている人:価格を抑えて、丈夫な生地のショート丈がほしい人
モンベル U.L.エアパッド 150
- 重さ:431g(スタッフバッグ込み455g)
- R値:1.4
- R値1あたりの重さ:308g(計算値)
- 厚さ:7cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):50×150cm
- 収納サイズ:φ10×20cm
- 生地:30Dポリエステル・リップストップ(TPUラミネート)
- 断熱材:公式記載なし
- ポンプ・付属品:簡易ポンプ機能付きスタッフバッグ
- 価格(税込):16,000円
- 向いている季節:夏山(無雪期)
- 向いている人:モンベルで揃えたい・150cmで足りる人
モンベル U.L.サーモ エアパッド 150
- 重さ:481g(スタッフバッグ込み506g)
- R値:4.9
- R値1あたりの重さ:98g(計算値)
- 厚さ:8cm
- 使用時サイズ(幅×長さ):50×150cm
- 収納サイズ:φ10×20cm
- 生地:30Dポリエステル・リップストップ(TPUラミネート)
- 断熱材:サーモフィルム(ポリエステル)
- ポンプ・付属品:簡易ポンプ機能付きスタッフバッグ
- 価格(税込):19,000円
- 向いている季節:春〜秋、残雪期(積雪期はフォーム併用)
- 向いている人:R値4以上を2万円以内で、150cmで足りる人
「向いている季節」は、公式のR値をもとに山旅旅が一般的な目安で分けたものです。R値の公式記載がないモデルは夏向けとしています。
山旅旅の計算値:重さと値段で見る500g以下のエアマット
公式の数字から計算すると、「軽く断熱を持てるマット」と「最後の数十gを削るのに高くつくマット」がはっきり分かれます。どこにお金をかけるかの判断材料にしてください。
R値1あたりの重さ(計算値・軽い順)
本体の重さをR値で割った値です。小さいほど、同じ断熱をより軽く持てます。R値の公式記載がないクライミットの各モデルは除いています。また、モンベルの150cmのモデルは長さが短いぶん、全長183cmのモデルより有利な数字になる点に注意してください。
- 1位 NEMO テンサー エクストリームコンディションズ:56g(472g÷R値8.5)
- 2位 Rab ウルトラスフィア 5:63g(345g÷R値5.5)
- 3位 arata ASP-R7 マミー:72g(477g÷R値6.6)
- 4位 NEMO テンサー オールシーズン:74g(400g÷R値5.4)
- 5位 NEMO エクリプス オールシーズン:74g(460g÷R値6.2)
- 6位 モンベル U.L.サーモ エアパッド 150:98g(481g÷R値4.9)
- 7位 NEMO テンサー エリート:100g(240g÷R値2.4)
- 8位 シートゥサミット イーサーライトXRマット:115g(470g÷R値4.1)
- 9位 シートゥサミット ウルトラライトXRマット:115g(415g÷R値3.6)
- 10位 NEMO テンサー トレイル:132g(369g÷R値2.8)
- 11位 Rab ウルトラスフィア 1.5:221g(310g÷R値1.4)
- 12位 モンベル U.L.エアパッド 150:308g(431g÷R値1.4)
上位はテンサー エクストリームコンディションズ、ウルトラスフィア 5、ASP-R7 マミーです。断熱フィルムを重ねた高R値のモデルほど、この数字は小さくなります。いっぽう夏向けの軽いモデルは、本体は軽くても断熱あたりで見ると重い側になります。「秋も使うかもしれない」なら、軽い夏用を買い足すより、R値5前後のモデルを1枚持つほうが合理的なことが多いといえます。
1g軽くするのにかかる値段(arata ASP-R7 マミーを基準にした計算値)
全長183cmでもっとも安いASP-R7 マミー(477g・18,480円)を基準に、ほかのモデルに替えたとき「1g軽くするのに何円かかるか」を計算しました。価格の公式記載がないモデルは除いています。
- NEMO テンサー エリート(240g):237g軽く、+16,720円 → 1gあたり約71円
- クライミット イナーシャ X フレーム(272g):205g軽く、+2,420円 → 1gあたり約12円
- Rab ウルトラスフィア 1.5(310g):167g軽く、+7,920円 → 1gあたり約47円
- Rab ウルトラスフィア 5(345g):132g軽く、+9,020円 → 1gあたり約68円
- NEMO テンサー トレイル(369g):108g軽く、+9,020円 → 1gあたり約84円
- NEMO テンサー オールシーズン(400g):77g軽く、+14,520円 → 1gあたり約189円
- クライミット スタティック V ライト エコ(425g):52g軽く、+5,720円 → 1gあたり約110円
- クライミット スタティック V2(454g):23g軽く、+220円 → 1gあたり約10円
- NEMO エクリプス オールシーズン(460g):17g軽く、+6,820円 → 1gあたり約401円
- シートゥサミット イーサーライトXRマット(470g):7g軽く、+13,200円 → 1gあたり約1,886円
- NEMO テンサー エクストリームコンディションズ(472g):5g軽く、+20,020円 → 1gあたり約4,004円
ASP-R7 マミーとの差が数gしかないテンサー エクストリームコンディションズやイーサーライトXRは、1gあたりの値段がとても高くなります。これらは軽さではなく、R値や厚さ・幅にお金を払うマットと考えるのが正確です。反対に、イナーシャ X フレームやスタティック V2のように、少ない差額で軽くできるモデルもあります(どちらもR値の公式記載はありません)。
テント泊装備全体で見た差
例として、テント泊の装備(食料と水を除く)を10kgとすると、ASP-R7 マミー(477g)からテンサー エリート(240g)に替えて減る237gは、装備全体の約2.4%(計算値)です。マット1つで減らせる重さとしては大きい部類ですが、季節に合わないR値を選んで寒さで眠れなければ意味がありません。軽さの差は、季節の条件を満たしたモデルの中で比べてください。
作り手の目線:お店で確かめたい5か所
山旅旅はベトナム・中国の工場で自社の登山用品を作っています。その立場から、エアマットを店頭で見るときに、カタログの数字だけでは分からない所を挙げます。いずれも一般的な見方で、特定の製品の良し悪しを決めるものではありません。
- 生地の厚さ(デニール)と表裏の違い:「10D」「20D」「40D」などの数字は糸の太さで、大きいほど丈夫で重くなります。NEMOのテンサーのように、地面側だけ厚い生地を使うモデルもあります。上下の生地の数字を両方確かめましょう
- 生地の内側の加工(TPUラミネートなど):エアマットは生地の内側に樹脂の膜を貼って空気を閉じ込めています。公式の説明に「ラミネート」「コーティング」などの表記があるかを見ておくと、作りの違いを比べる手がかりになります
- つなぎ目(溶着部分)の幅と端の処理:空気漏れは生地の面より、つなぎ目やバルブの付け根で起きやすいものです。縁の溶着がまっすぐ均一か、角が硬く尖っていないかを見てください
- バルブの位置と形:平らなバルブ、裏側にあるバルブは、寝ているときに体に当たりにくく、収納時にも引っかかりにくい作りです。グローブをしたまま開け閉めできるかも確かめておくと、寒い時期に差が出ます
- 重さの表記の基準:同じ「重さ」でも、本体だけか、スタッフバッグ・ポンプ込みかで数十g違います。サイズ(レギュラー/ショート/ワイド)とあわせて、何の重さなのかを確かめましょう
また、表面の素材によっては寝返りのたびにカサカサと音がすることがあります。店頭で実際に膨らませた見本があれば、横になって音と寝心地を確かめるのがいちばん確実です。
後継モデル・新製品と、今回紹介しなかったモデル
2026年は、各社のエアマットの入れ替わりが多い年です。旧版で紹介していたモデルのうち、国内の公式サイトで廃番の表示があるものや、500gを超えるものは今回外しました。
後継モデル・新製品
- Rab ウルトラスフィア 5(2026年春夏):同じシリーズの旧ウルトラスフィア4.5(R値4.3・370g)と比べると、345gと軽く、R値は5.5です
- シートゥサミット ウルトラライトXRマット:以前のウルトラライトマットに代わる新しい世代で、R値3.6です
- シートゥサミット イーサーライトXRマット:公式ページでは、従来モデル(R値3.2)からR値4.1に上がったと案内されています
- シートゥサミットの国内の取扱い:2026年9月1日から、国内の正規輸入はロストアローからブルーシープに引き継がれています
今回紹介しなかったモデル
- サーマレスト ネオエアーXライト NXT/Xサーモ NXT:国内代理店の公式ページで「今期廃番」と表示されていたため外しました(2026年11月6日時点)。国内公式サイトでは500g以下の後継エアマットを確認できませんでした。Xライト NXTの使い心地はネオエアーXライトNXTのレビューで紹介しています
- 500gを超えるため外したもの:モンベル U.L.エアパッド 180(504g)・U.L.サーモ エアパッド 180(563g)・エクセロフト エアパッド 180(658g)、シートゥサミット イーサーライトXRプロ(560g)、クライミット スタティック V(約531g)・スタティック V リーコン(約531g)・インシュレーテッド スタティック V ライト エコ(約567g)、arata ASP-R7 レギュラー(584g)、DOD シャダンダン(約0.8kg)。いずれも公式の値です
- エアマットではないため外したもの:クローズドセルマット(サーマレスト Zライトソル、モンベル フォームパッドなど)、自動膨張式のインフレータブルマット(NEMO ゾア、サーマレスト プロライト、モンベル アルパインパッド25など)。それぞれ山旅旅の別の記事で紹介しています
- 公式の数字を確かめられなかったため外したもの:マジックマウンテン デナリベース、エクスペド ウルトラ7R、ネイチャーハイク R6.5、クライミット イナーシャ オゾン
シートゥサミットのマットをシリーズ全体で比べたい人はシートゥサミットのマット全モデル比較、マットと合わせて使う枕はテント泊向け軽量枕のおすすめを参考にしてください。
よくある質問
Q. 500g以下のエアマットで冬山のテント泊はできますか?
R値8.5のテンサー エクストリームコンディションズや、R値6台のASP-R7 マミー、エクリプス オールシーズンなら、断熱の数字としては積雪期も視野に入ります。ただし雪の上では、パンクすると断熱を一気に失うため、薄いクローズドセルマットを下に重ねて使ってください。
Q. 山でエアマットに穴があいたらどうすればいいですか?
付属のパッチで直します。空気を入れて耳を近づけるか、水をつけた手でなでて泡が出る場所を探し、乾かしてから貼ります。暗いテントの中では見つけにくいため、出発前に家で一度パッチの貼り方を確かめておくと安心です。直せなかったときに備え、寒い時期はフォームマットを併用しましょう。
Q. エアマットは息で膨らませてもいいですか?
膨らませることはできますが、息の湿気がマットの中にたまり、寒い時期は内部で凍ったり、保管中のカビの原因になったりします。ポンプサックが付属するモデルはポンプを使い、付属しないモデルは別売りのポンプを検討してください。
Q. 150cmや半身用のマットで足元は寒くないですか?
足元はザックや空のスタッフバッグを敷いて補います。夏ならこれで足りることが多いですが、冷え込む季節は足元から冷えやすくなります。春・秋以降は全長183cmのモデルを選ぶか、足元にフォームを足してください。
Q. エアマットの下には何か敷いたほうがいいですか?
テントの床があるので必須ではありませんが、薄いフォームやグランドシートを敷くと、パンクの予防と断熱の上乗せの両方に役立ちます。R値は重ねると足し算で考えるのが一般的なので、夏用マットを春・秋に使う方法としても有効です。
まとめ:季節に合うR値を決めてから、500g以下で軽さを比べよう
500g以下のエアマットは、2026年は選択肢が大きく広がり、R値5以上でも350g前後、R値6以上でも2万円以内のモデルが選べるようになりました。まず使う季節とテント場の標高からR値を決め、次に長さ・幅・厚さを、最後に重さと価格を比べてください。
- 夏のテント泊を最軽量で:NEMO テンサー エリート、クライミット イナーシャ X フレーム、Rab ウルトラスフィア 1.5
- 3シーズンを1枚で:Rab ウルトラスフィア 5、NEMO テンサー オールシーズン、シートゥサミット ウルトラライトXR
- 残雪期・冬も視野に:NEMO テンサー エクストリームコンディションズ、arata ASP-R7 マミー、NEMO エクリプス オールシーズン(雪の上ではフォーム併用)
- さらに軽く・安く:モンベル U.L.エアパッド 150、U.L.サーモ エアパッド 150、クライミットのショート丈
テント泊の装備全体を軽くする考え方はテント泊・小屋泊の装備の軽量化マニュアルでも紹介しています。重さ・R値・価格は2026年11月6日に各社の公式サイトで確かめた値です。購入前には最新の情報を公式サイトでご確認ください。
※本記事の作成にはAIを活用し、製品の仕様は各公式サイトの掲載情報(確認日時点)と照合しています。





