この記事の要点:蝶ヶ岳(2,677m)は、槍ヶ岳・穂高連峰を正面に望む「北アルプス入門の山」です。初心者向けは安曇野側の三股から登る蝶ヶ岳新道(片道の目安 約8時間30分)や上高地・徳沢からの長塀尾根で、山頂直下の蝶ヶ岳ヒュッテに泊まる1泊2日が基本。ただし2026年の蝶ヶ岳ヒュッテの営業は11月3日まで、上高地へのバス・タクシーが通る釜トンネルは11月16日から冬期閉鎖です。11月以降の蝶ヶ岳は雪と強風の冬山になるため、冬山の経験と装備がない人は来シーズン(春〜秋)に計画してください。
(2026年11月2日更新:山小屋の営業期間と上高地の交通規制・冬期閉鎖を長野県の情報で確かめて最新の登山情報を加え、季節ごとの服装と持ち物、よくある質問を新しくしました)
北アルプス入門の山、また、槍・穂高の展望台として知られている蝶ヶ岳には、徳沢、横尾からのコースと安曇野側の三股からのコースがあります。難しい岩場もない上にお花畑などを楽しむことができ、展望も素晴らしいので、多くの登山者で賑わいます。蝶ヶ岳登山を検討している方におすすめの上高地、三股からの登山コースを難易度別で紹介します。
最新の登山情報(2026年11月2日確認)
- 蝶ヶ岳ヒュッテ:2026年の営業期間は4月25日〜11月3日(1か月前からの予約制・Web予約可)。11月4日以降は営業していません。
- 大滝山荘:2026年の営業は7月20日〜8月31日で、すでに終了しています。
- 上高地側の山小屋:徳澤園は11月5日ごろまで、横尾山荘は11月3日までの営業予定です(終了日は各山小屋へ確認)。
- 上高地の交通:上高地は11月15日までマイカー規制中で、バス・タクシーでのみ入れます。釜トンネルは2026年11月16日から2027年4月中旬まで冬期閉鎖となり、全面通行止めです。
- 冬の蝶ヶ岳:山小屋が閉まったあとの蝶ヶ岳は、雪・凍結・強風のなかを歩く冬山です。避難できる営業小屋はなく、アイゼン・ピッケルなどの冬山装備と経験が欠かせません。三股側も冬は登山口までの道路状況が変わるので、出かける前に安曇野市や現地の情報を確認してください。
出典:長野県「山小屋情報ポータルサイト(北アルプス)」/長野県「上高地交通規制について」(2026年11月2日確認)
蝶ヶ岳の概要・気温について
蝶ヶ岳は北アルプス・常念山脈の南にある標高2,677mの山です。山頂付近の気温(目安)は、最も低い2月で最低気温が-21℃、最も高い8月でも最高気温は14.2℃ほどです。真夏でも朝晩は冷え込むので、保温着は一年中必要です。
- 都道府県:北アルプス(常念山脈) 長野県
- 標高:北アルプス(常念山脈) 2,677m
山頂付近の月別気温の目安(℃)
- 最高気温:1 -12.5 / 2 -12 / 3 -7.5 / 4 0.3 / 5 6.3 / 6 10.8 / 7 13.1 / 8 14.2 / 9 11.4 / 10 5.2 / 11 -2.2 / 12 -8.5
- 最低気温:1 -19.8 / 2 -21 / 3 -16 / 4 -10 / 5 -3.9 / 6 1.8 / 7 6.5 / 8 7.4 / 9 3.5 / 10 -6 / 11 -10.6 / 12 -15.9
11月は最高気温でも氷点下になる目安です。登山口が晴れていても、山頂は冬の世界だと考えてください。
蝶ヶ岳の登山が人気の理由
蝶ヶ岳は北アルプス常念山脈の南にあり、奥上高地と安曇野の両側から登ることができます。山頂付近には池やお花畑があり、高山蝶やライチョウなども登山者を楽しませてくれます。夏は常念山系屈指の高山植物が素晴らしく、ウサギギク、ミヤマキンポウゲ、コケモモなどが一斉に花を付けます。
蝶ヶ岳周辺の動植物

ミヤマキンバイ

ライチョウ

クモマベニヒカゲ
蝶ヶ岳からの眺望を見ずして、槍・穂高を語ることなかれ

蝶ヶ岳の名前は、春先になると蝶ヶ岳ヒュッテの南東斜面に蝶の雪形が現れることから名付けられました。山頂からは、槍・穂高の3,000m級の険しい山々が連なる、北アルプスを象徴する景色が楽しめます。
アクセスしやすい登山口と選べるコース

比較的楽な三股からの登山コース、蝶ヶ岳と常念岳を周回するコース、上高地側からアクセスするコースなど、自分の力量と楽しみたいスタイルで選択できます。登山口も上高地側の徳沢・横尾、安曇野側の三股と多くあり、北アルプス初めての山の候補としても人気が高い山です。
北アルプスに挑戦するのに丁度いい登山コース

北アルプスに初めて挑戦するなら蝶ヶ岳はおすすめです。燕岳は「合戦尾根」、常念岳は「胸突き八丁」とそれぞれ急登がありますが、三股から登る蝶ヶ岳新道は急坂が比較的少なく、安心して登山を楽しめます。
蝶ヶ岳の難易度別おすすめ登山コース

4つのコースを比べると次のとおりです。数字はいずれも「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準にした目安で、すべて片道の値です。
- 三股(蝶ヶ岳新道):レベル 初心者〜中級者 / 片道コースタイム(目安) 8時間30分 / 距離(目安) 約11.3km / 累積標高(目安) 約1,454m / 特徴 急坂が比較的少ない。安曇野側から
- 徳沢(長塀尾根):レベル 中級者 / 片道コースタイム(目安) 7時間55分 / 距離(目安) 約10.1km / 累積標高(目安) 約1,221m / 特徴 長い樹林帯。途中に水場なし
- 横尾:レベル 中級者(健脚向き) / 片道コースタイム(目安) 7時間5分 / 距離(目安) 約7.4km / 累積標高(目安) 約1,201m / 特徴 距離は短いが急登が続く
- 徳本峠〜大滝山周回:レベル 上級者 / 片道コースタイム(目安) 13時間35分 / 距離(目安) 約22.6km / 累積標高(目安) 約1,827m / 特徴 長い縦走。1泊2日
【初心者〜中級者向け】三股から蝶ヶ岳への登山
- 片道コースタイム(目安):1泊2日がおすすめ(体力のある人は日帰りも) 8時間30分
- 距離(目安):1泊2日がおすすめ(体力のある人は日帰りも) 約11.3km
- 累積標高(目安):1泊2日がおすすめ(体力のある人は日帰りも) 約1,454m
- 難易度:1泊2日がおすすめ(体力のある人は日帰りも) ★★★☆☆
- 注意する所:1泊2日がおすすめ(体力のある人は日帰りも) カ水から先は水場がない、蝶沢上部のガレ場の浮石

登山口のある林道終点にはトイレなどがあって便利です。登山道は本沢に沿ってしばらく行き、吊橋で対岸に渡ります。まもなく「カ水」という水場があり、その後は水場がなくなるため、しっかり補給しておきましょう。ここから樹林帯の中の急登が続きます。
まめうち平のベンチを過ぎ、道が右にトラバースすると蝶沢の上部に出ます。道はガレ場を行くので浮石などに注意。右手に常念岳と常念岳への稜線が見えてくれば頂上はもうすぐです。道がハイマツ帯の中を行き左に回り込むようになると分岐に着きます。左は大滝山へ、右が蝶ヶ岳へ続きます。
【中級者向け】上高地の徳沢・横尾から蝶ヶ岳への登山
徳沢から長塀尾根を登る
- 片道コースタイム(目安):1泊2日がおすすめ 7時間55分
- 距離(目安):1泊2日がおすすめ 約10.1km
- 累積標高(目安):1泊2日がおすすめ 約1,221m
- 難易度:1泊2日がおすすめ ★★☆☆☆

徳沢から蝶ヶ岳へ登る長塀尾根は、コースタイムの長いルートです。徳澤園の横から取り付き、樹林帯の中をジグザグに登って行きます。途中に水場がないので注意しましょう。
2,500m手前には小さな池があり、少し歩くと周囲に倒木が多くなります。穂高が見えるようになってくると長塀山の頂上も近いです。長塀山頂上には三角点があり、穂高連峰を木々の間から見ることができます。ここからゆるやかなアップダウンを繰り返しながら蝶ヶ岳に向かいます。
横尾から稜線へまっすぐ登る
- 片道コースタイム(目安):1泊2日がおすすめ 7時間5分
- 距離(目安):1泊2日がおすすめ 約7.4km
- 累積標高(目安):1泊2日がおすすめ 約1,201m
- 難易度:1泊2日がおすすめ ★★☆☆☆

横尾から蝶ヶ岳の稜線へまっすぐ登るこのルートは、コースタイムが短いだけに急登の連続です。横尾山荘前で身支度を整えて出発しましょう。横尾大橋を渡って涸沢へ行く人たちとは別の槍ヶ岳方面に行くと、すぐに蝶ヶ岳への分岐があります。ここで分岐を右にとってクマザサの中を少し歩き、樹林帯の中の急坂を登り始めます。
樹林帯が開けて槍ヶ岳が見えれば槍見台。標高1,900mぐらいで、まだ4分の3ぐらい残っています。ここからまた樹林帯の中を登ります。道は時折ジグザグもありますがほとんど直登で健脚向き。右へ行けば蝶ヶ岳ヒュッテ、左が蝶槍を越えて常念岳という分岐に出ます。
【上級者向け】徳本峠から大滝山〜蝶ヶ岳周回登山
- コースタイム(目安):1泊2日 13時間35分
- 距離(目安):1泊2日 約22.6km
- 累積標高(目安):1泊2日 約1,827m
- 難易度:1泊2日 ★★★☆☆
- 注意する所:1泊2日 長い距離と展望のない樹林帯、大滝山南峰手前の崖沿いの急坂

徳本峠小屋の横から樹林帯を行きます。広い稜線をゆるやかに登って行き、三角点のある2,246.5mの展望のないピークを過ぎると、道はゆるやかな下りになります。
稜線が狭くなってくると「明神見晴らし」に出ます。ここからは北西側の展望が開け、樹林の上に明神岳が、前穂北尾根の上に槍ヶ岳の穂先が見えます。「明神見晴らし」から小さく下ってゆるやかに登ると、2,364mに建つ「大滝槍見台」があります。丸太で組まれた櫓の上に立つと、奥穂高岳、明神岳から槍ヶ岳、大天井岳までのパノラマを見ることができます。
「大滝槍見台」を後ろに道は小さく下って樹林帯のゆるやかな登りになり、展望のない道が続きます。やがて道が稜線上から山腹を行くようになり、再び稜線上に戻ると安曇野側が開け、崖沿いの狭い急坂を登って大滝山の南峰に出ます。背の高いハイマツ越しに穂高の山が見えます。
南峰から樹林帯を行くと大滝山荘があり、先へ樹林を抜けると北峰です。ここからは長塀尾根の上に槍ヶ岳が見えます。展望の良い稜線をゆるやかに下り、池塘を横切って樹林帯を下って行きます。鞍部を過ぎて登り返し、樹林帯を抜けると三股への分岐となります。ここから小さく登ってテント場を過ぎれば、蝶ヶ岳に到着します。
大滝山荘の営業は夏の短い期間だけです。このコースを歩く場合は、営業期間を必ず確かめてから計画してください。
蝶ヶ岳ヒュッテ|営業期間・予約・テント場
- 営業期間(2026年):4月25日〜11月3日
- 予約:宿泊希望日の1か月前からの予約制。Web予約もできます
- 連絡先:事務所 0263-58-2210/現地 090-1056-3455
- テント場:ヒュッテの近くにあります。受付方法や料金は公式サイトで確認してください
宿泊料金やテント場の料金、充電などのサービスは年によって変わります。最新の情報は蝶ヶ岳ヒュッテ公式サイトで確認してください。
アクセスと駐車場
- 上高地側(徳沢・横尾):上高地はマイカー規制があり、2026年は4月17日〜11月15日のあいだ、バス・タクシーなどでしか入れません。上高地バスターミナルから徳沢・横尾までは梓川沿いの道を歩きます。釜トンネルは11月16日から冬期閉鎖です。
- 安曇野側(三股):三股登山口へは車かタクシーで向かいます。登山口の近くに駐車場がありますが、週末や夏の最盛期は早い時間に満車になりやすいので、余裕を持って到着しましょう。冬は登山口までの道路状況が変わるので、出かける前に確認してください。
季節ごとの服装と持ち物
蝶ヶ岳は2,600mを超える稜線の山で、さえぎるもののない稜線は風が強く、夏でも朝晩は冷え込みます。服装と持ち物は「稜線の風と寒さ」から逆算します。服装の基本は登山の服装、持ち物の全体は登山の持ち物チェックリスト、靴は登山靴の選び方を参考にしてください。
季節ごとの目安
- 夏(7〜8月):花とライチョウの季節。行動中は半袖でも、稜線や山小屋では保温着とレインウェアが必要です。雷にも注意します。
- 秋(9〜10月):紅葉と澄んだ展望の季節。山頂付近は氷点下になる日もあり、手袋・ニット帽・ダウンを持ちます。10月後半は初雪の可能性があり、チェーンスパイクなどの滑り止めがあると安心です。
- 11月〜春:雪と強風の冬山です。山小屋は閉まり、アイゼン・ピッケルなどの冬山装備と経験が必要です。初心者は計画しないでください。
小屋泊(1泊2日)の持ち物
- 速乾性の肌着と行動中に着る薄手の保温着
- ダウンなど休憩・小屋で着る保温着
- レインウェア上下(風よけを兼ねる)
- 手袋・帽子
- ヘッドランプ
- 水・行動食(長塀尾根・横尾ルートは途中に水場がない区間が長い)
- 地図・地図アプリとモバイルバッテリー
- トレッキングポール(長い下りに)
この山で使う山旅の道具
風の強い稜線では、行動中も着たままでいられる保温着と、耳まで覆える帽子が役に立ちます。
よくある質問
蝶ヶ岳は初心者でも登れますか?
難しい岩場がなく、「北アルプス入門の山」として初めての人にも選ばれています。ただし標高差が大きく歩く時間も長いので、日帰りの低山で体力をつけ、山小屋に1泊する計画で登るのがおすすめです。
日帰りでは何時間かかりますか?
三股からの片道の目安は約8時間30分で、日帰りでは往復の距離と時間がかなり長くなります。体力に自信のある人以外は、蝶ヶ岳ヒュッテに泊まる1泊2日にしましょう。
トイレはありますか?
三股の登山口や上高地側の山小屋、蝶ヶ岳ヒュッテなどにあります。山小屋の営業期間外は使えないことがあるので、携帯トイレを持っておくと安心です。
11月や冬でも登れますか?
11月以降の蝶ヶ岳は雪と強風の冬山で、山小屋も閉まっています。冬山の経験と装備がある人以外は登らないでください。初めての人は、山小屋が営業している夏〜秋に計画しましょう。
テント泊はできますか?
蝶ヶ岳ヒュッテの近くにテント場があります。受付方法や料金は年によって変わるので、公式サイトで確認してください。稜線のテント場は風が強いので、しっかり張れるテントと防寒具を用意しましょう。
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出典:長野県「山小屋情報ポータルサイト(北アルプス)」/長野県「上高地交通規制について」/蝶ヶ岳ヒュッテ(2026年11月2日確認)
※本記事の作成にはAIを活用し、製品の仕様は各公式サイトの掲載情報(確認日時点)と照合しています。






