この記事の要点:霊仙山(滋賀県・1,084m)の定番だった榑ヶ畑(くれがはた)登山口は、2024年3月の土砂崩れで醒井養鱒場から先の林道が通行止めのまま(2026年11月2日時点で米原市は復旧時期未定と案内)。いま登るなら多賀町側の落合・今畑登山口か、JR柏原駅からの柏原登山道を使います。登頂まで片道約3時間が目安で、日帰りでも1日がかり。11月は日が短く、朝晩の冷え込みとクマに注意が必要です。
(2026年11月2日更新:榑ヶ畑林道の通行止め・駐車場・トイレ・クマの最新情報を米原市と滋賀県の公式情報で確認し、使えるコースを中心に書き直しました)
霊仙山(りょうぜんざん)は、滋賀県の鈴鹿山脈の北の端にある標高1,084mの山です。山頂付近は木のない石灰岩の草原で、琵琶湖や鈴鹿の山並みを360度見渡せます。カルスト地形の白い岩が点々と転がる景色は、ほかの低山にはない独特なもの。花の百名山にも選ばれ、春はフクジュソウ、初夏はシャクナゲが楽しめます。
この記事では、いま実際に使える登山コース、所要時間、アクセスと駐車場、季節ごとの服装と持ち物を、初心者にもわかるようにまとめました。
- 山域:滋賀県(米原市・多賀町) 鈴鹿山脈
- 標高:滋賀県(米原市・多賀町) 1,084m
- 山頂避難小屋:滋賀県(米原市・多賀町) 無料で常時開放(仮眠室・休憩室あり)。トイレなし
- 山中のトイレ:滋賀県(米原市・多賀町) なし
- 天気・アクセスなど:滋賀県(米原市・多賀町) 霊仙山の詳細はこちら

最新の登山情報(2026年11月2日確認)
米原市の公式ページ(2026年5月14日更新)と滋賀県の情報をもとに、出かける前に知っておきたいことをまとめます。出発前には必ず最新の発表も確認してください。
榑ヶ畑林道は通行止め(復旧時期は未定)
- 2024年3月30日の土砂崩れで、醒井養鱒場から先の榑ヶ畑林道は歩行者も通れません。一部の土砂は撤去されましたが、開通の時期は決まっていません。
- 米原市は榑ヶ畑登山口以外のルートを使うよう案内しています。ほかのルートで登って、榑ヶ畑登山口を通って醒井養鱒場の方へ下りることもできません。
- 以前この記事で紹介していた「醒井養鱒場に車を停めて榑ヶ畑から登る」計画は、いまは使えません。
通れない登山道
- 上丹生登山口からの谷山谷登山道(漆ヶ滝のある道):土砂崩れや倒木のため通行不可
- 河内登山口から四丁横崖までの河内登山道:同じく通行不可
- どちらも米原市は「復旧の見込みなし」としています。
山中の注意
- トイレは山中にありません。登山口に向かう前に済ませておきましょう。
- 石灰岩の地形のため、登山道を外れると草や雪に隠れたドリーネ(すり鉢状の穴)に落ちるおそれがあります。
- 霧(ガス)が出ると、山頂付近の広い草原では道がわかりにくくなります。地図アプリと紙の地図を両方持ちましょう。
- 山頂の避難小屋は無料で開いていますが、広くはありません。ごみは持ち帰り、室内での火気やたき火はしないでください。
クマに注意(秋は特に)
滋賀県と滋賀県警の注意喚起(2026年8月31日時点の数字)によると、県内のツキノワグマの目撃は92件で、そのうち米原市が13件。鈴鹿山脈はクマのすみかの一つとされています。今年はミズナラ・コナラの実が少なく、冬眠前の秋はクマが広く動き回るおそれがあるため、引き続き注意するよう呼びかけています。
- クマ鈴やラジオなど音の出るものを持つ
- 夜明けや夕方、1人での行動はできるだけ避ける
- 食べ物のごみは必ず持ち帰る
- 出会ったら走らず、刺激せずにゆっくり離れる
出典:米原市「霊仙山」/滋賀県「ツキノワグマから身を守るために」(PDF)
霊仙山の登山コース(初心者・中級者・上級者向け)
いま使える主な入口は「落合・今畑登山口(多賀町)」と「柏原登山口(米原市)」の2つです。米原市によると、登頂まではどのコースも片道約3時間が目安。往復と休憩を入れると6〜7時間ほどかかると考えておきましょう。
- 落合登山口から汗拭き峠経由:おすすめの人 登山経験のある初心者〜 / 登山口 落合(多賀町) / 所要時間の目安 往復6時間前後(目安) / ひとこと いちばん無理のない入口。汗拭き峠から上は旧榑ヶ畑ルートと同じ道
- 西南尾根周回(今畑→山頂→落合):おすすめの人 中級者 / 登山口 今畑(多賀町) / 所要時間の目安 約5時間40分(目安) / ひとこと 春のフクジュソウで人気。急登と岩場がある
- 柏原登山道:おすすめの人 中級〜上級者(健脚向け) / 登山口 柏原(米原市) / 所要時間の目安 往復約8時間30分(目安) / ひとこと JR柏原駅から歩ける。距離が長い
- 榑ヶ畑登山道:おすすめの人 ― / 登山口 榑ヶ畑(米原市) / 所要時間の目安 ― / ひとこと 通行止め(復旧時期未定)
※所要時間は休憩を含まない目安です。距離・標高差は公式の数字が確認できなかったため載せていません。全体像は米原市の霊仙山ページにある登山地図(PDF)で確認できます。
初心者向け:落合登山口から汗拭き峠を通って山頂へ

多賀町の落合集落から谷沿いに登り、汗拭き峠に出るコースです。汗拭き峠から先は、以前の定番だった榑ヶ畑ルートと同じ道を山頂へ向かいます。同じ道を往復すれば道迷いの心配が少なく、霊仙山が初めての人にいちばん向いています。
ただし「初心者向け」といっても、往復6時間前後の長い山歩きです。標高差のある低山(たとえば丹沢の大山など)を何度か歩いて、5〜6時間の行動に慣れてから挑戦しましょう。
- 汗拭き峠までは急な登りが続きます。ペースを落として、こまめに水分をとりましょう。
- 峠付近は道が交わる所で、迷いやすい場所です。案内やテープを確かめながら進みます。
- 峠の先、木のトンネルのような細い尾根は、木もれ日が気持ちいい区間。紅葉の時期もきれいです。

森を抜けると一気に視界が開け、石灰岩がごろごろと並ぶ景色に変わります。お猿岩の周りに広がるカレンフェルト(石灰岩の柱が並ぶ地形)は、霊仙山のいちばんの見どころです。

お虎ヶ池は、天然のドリーネにたまった小さな池。経塚山を越えると、360度見渡せる霊仙山の山頂です。

▼ルート(参考:旧榑ヶ畑ルートのGPXです。汗拭き峠から上が同じ道になります)
中級者向け:今畑登山口から西南尾根の周回

今畑登山口から廃村・今畑を抜け、笹峠を越えて西南尾根を登ります。石灰岩がむき出しの急な斜面が続き、近江展望台に出ると一気に景色が広がります。4月初めごろは尾根がフクジュソウで彩られる人気のコースです。
山頂からは経塚山、お虎ヶ池、お猿岩、汗拭き峠と下り、落合側へ戻る周回にすると、霊仙山の見どころをひと通り歩けます。登りの岩場と下りの長さがあるので、中級者向けです。
- 所要時間の目安:今畑登山口~笹峠~近江展望台~霊仙山山頂~経塚山~お虎ヶ池~お猿岩~汗拭き峠~落合方面 約5時間40分(休憩を含まない)
- 注意:今畑登山口~笹峠~近江展望台~霊仙山山頂~経塚山~お虎ヶ池~お猿岩~汗拭き峠~落合方面 登山口付近に公式の駐車場はない。岩場・急登あり
上級者向け:JR柏原駅から柏原登山道

JR柏原駅から歩いて約15分で柏原登山口(米原市の案内)。車がなくても登れるのが長所ですが、距離が長く、米原市も中級者向けとしています。往復で8時間以上かかることもあるので、日の短い秋冬は特に早い時間に出発しましょう。
- 沢沿いの道から始まり、7合目付近には深い穴「継子穴」があります。
- 四丁横崖を過ぎると視界が開け、カルスト地形の高原へ。
- 途中から分かれる河内登山道(四丁横崖まで)は通行できません。分岐に注意してください。
アクセスと駐車場
米原市によると、登山口の近くに駐車場はありません。林道の路肩に停めるのもやめましょう。
- 落合・今畑(多賀町):車 彦根ICから約30分 / 電車 JR彦根駅から車で約30分 / 駐車・トイレ 公式の駐車場なし。問い合わせは多賀町役場 文化まちづくり課(0749-48-8118)
- 柏原(米原市):車 ― / 電車 JR柏原駅から徒歩約15分 / 駐車・トイレ 電車での利用がおすすめ
- 榑ヶ畑(米原市):車 林道通行止めのため使えません(復旧時期未定)
醒井養鱒場は入場料が必要な施設で、米原市は登山目的での駐車場・トイレの利用を案内していません。以前の記事にあった「醒井養鱒場に駐車」の情報は削除しました。
多賀町側の登山口へは、多賀町の予約型乗合タクシーが使える場合があります。運行の有無や予約方法は多賀町の公式ページで確認してください。

季節ごとの服装と持ち物
霊仙山は標高1,084mの低山ですが、山頂付近は木がなく、風をさえぎるものがありません。ふもとが暖かくても、山頂では体感温度がぐっと下がります。くわしくは登山の服装と登山の持ち物の記事でまとめています。
春(3月下旬〜5月)
フクジュソウやシャクナゲの季節で、いちばん人気の時期です。3月はまだ残雪や凍った所が残ることがあります。重ね着できる長袖と、風を通しにくい上着を用意しましょう。
夏(6〜8月):ヤマビル対策が必須
湿気の多い梅雨から夏は、ヤマビルに注意が必要です。米原市も注意を呼びかけています。
- ザックをむやみに地面に置かない、地面にじかに座らない
- 長袖・長ズボン・スパッツで肌を出さない
- かまれたら無理に引きはがさず、塩水や忌避剤を使い、傷口を洗って保護する
ヤマビル用の忌避剤を1本持っていると安心です。
秋(9〜11月):日の短さと冷え込みに備える
紅葉と草原の景色が楽しめる時期です。11月は日の入りが早く、往復6時間以上かかる霊仙山では朝早く出発し、ヘッドライトを必ず持つことが大切です。山頂は風が強く、フリースやダウンなどの防寒着と手袋があると安心。クマ鈴も忘れずに。
冬(12〜3月)
積雪期は霧で道を見失いやすく、雪に隠れたドリーネに落ちる危険もあります。初心者だけでの冬の霊仙山はおすすめしません。経験者と行く場合も、チェーンスパイクやダウンジャケットなどの冬の装備をそろえましょう。足元は登山靴が基本です。
霊仙山に持っていきたい道具
行動時間が長い霊仙山では、水・行動食・防寒着・雨具・ヘッドライト・地図をまとめて背負える、20〜30Lほどの日帰り用ザックが使いやすいサイズです。
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汗拭き峠までの急登や、西南尾根の長い下りでは、トレッキングポールが脚の負担を減らしてくれます。軽いポールなら、使わない時にザックにしまっても重さが気になりません。
山中で道に迷ったりけがをしたりした時、声より遠くまで届くのがホイッスル。霧が出やすい霊仙山では、ザックのショルダーに付けておくと安心です。
霊仙山の見どころ
山頂から360度のパノラマ
四方の眺めが開けた高原で、琵琶湖や鈴鹿の山々を見渡せます。山頂付近の尾根歩きはとても気持ちのいい区間です。
カルスト台地と花

石灰岩が雨で溶けてできたカルスト地形で、石灰岩の柱やドリーネが見られる、別世界のような景色です。季節ごとに花も楽しめます。
下山後に寄りたい温泉
米原市側では、美肌の湯で知られる鴨池荘で日帰り入浴ができます。三重県いなべ市側の阿下喜温泉も、鈴鹿方面の登山の帰りに立ち寄られています。料金・営業時間・休みは変わることがあるので、出かける前に各施設の公式情報で確認してください。

よくある質問
霊仙山は初心者でも登れますか?
登山経験が少しある人なら登れますが、初めての登山にはおすすめしません。往復6時間前後と長く、山中にトイレがなく、霧で道がわかりにくくなる所もあるためです。まずは登山初心者の始め方を参考に、短い山で経験を積みましょう。
登山にかかる時間は?
米原市によると、登頂まで片道約3時間が目安です。落合からの往復で6時間前後、柏原登山道の往復は8時間以上を見ておきましょう(休憩は別)。
榑ヶ畑登山口からは登れますか?
2026年11月2日時点では登れません。2024年3月の土砂崩れで醒井養鱒場から先の林道が通行止めで、米原市は復旧時期を未定としています。
トイレはありますか?
山中にはありません。登山口に向かう前に、ふもとで済ませてください。携帯トイレを持っておくと安心です。
冬でも登れますか?
積雪期は霧での道迷いや、雪に隠れたドリーネへの転落の危険があります。冬山の経験と装備がない人にはおすすめしません。冬に低山を歩くなら、伊吹山や御在所岳の記事も参考にしてください。
※本記事の作成にはAIを活用し、製品の仕様は各公式サイトの掲載情報(確認日時点)と照合しています。





