この記事の結論:初心者が最初の1着に選ぶなら、秋と春に使える「防風の膜が入っていない薄手のソフトシェル」がおすすめです。汗が抜けやすく、着たまま歩けます。真冬の低山が中心なら、膜入りで裏起毛の暖かいタイプを。選ぶ基準は「膜の有無(通気か防風か)」「裏起毛の有無(暖かさ)」「重さと、下に着るものを入れたサイズ」の3つです。
(2026年11月2日更新:紹介している商品の価格・重さを各メーカー公式で確かめ直し、公式で確認できなかった3モデルを外しました。あわせて選び方の基準とよくある質問を整理しました)
ソフトシェルは「1着買えば秋から春まで安心」なウェアだと思っていませんか? 実は、秋は汗を逃がす通気、冬は風を止めて温める防風と保温、春は軽さと、季節ごとに求めることがはっきり変わります。この記事では、ソフトシェルの選び方を初心者向けに整理し、「秋・冬・春」のどの季節に合うかを軸に、メーカー公式で価格を確かめたおすすめモデルを紹介します。
ソフトシェルとは?ハードシェルとの違い

ソフトシェルとは、伸びる生地でできた、風を止める上着です。小雨や霧なら弾きますが、本降りの雨を防ぐ防水ウェアではありません。その代わり汗の湿気を逃がす力が高く、着たまま歩けるのが最大の強みです。

- 雨・雪:ソフトシェル 小雨を弾く程度。防水ではない / ハードシェル 防水の膜で雨も雪も止める
- 風:ソフトシェル 弱める〜止める(膜の有無による) / ハードシェル 止める
- 汗の抜けやすさ:ソフトシェル 高い / ハードシェル ソフトシェルより低い
- 着心地:ソフトシェル 伸びて動きやすく、着たまま歩ける / ハードシェル 生地がかためで、雨や吹雪のときに着る
判断の基準はひとつだけ。その日、雨や雪に濡れっぱなしになる可能性があるか。森林限界より上で吹雪かれる日はハードシェル。天気が読めていて雨具を別に持てる日は、行動中はソフトシェルのほうが快適です。どちらか一方ではなく、条件で使い分けるものだと考えてください。ハードシェルの候補はこちらの記事で比べています。
ソフトシェルの選び方|初心者が見る4つのポイント
ポイント①:防風の膜があるか・ないか
ソフトシェルという名前でくくられている製品には、2つの系統があります。
- 防風の膜(フィルム)が入っていないタイプ:織りの密度だけで風を弱める。通気がよく、汗をかく登りで蒸れにくい
- 防風の膜が入っているタイプ:風をほぼ完全に止める。裏側に起毛が付いていることが多く、暖かいぶん蒸れやすい
見分け方は簡単です。製品ページの素材欄に「3層」「フィルム」「メンブレン」「WINDSTOPPER」とあれば膜入り、「二重織り」「ダブルウィーブ」とあれば膜なしです。
ポイント②:季節(体感温度)に合わせる
- 秋:体感温度の目安 5〜15℃ / 向いているタイプ 膜なしの二重織り(通気が主役)
- 冬・真冬:体感温度の目安 0〜−10℃ / 向いているタイプ 膜入り+裏起毛(防風と保温)
- 春:体感温度の目安 0〜10℃・風が強い / 向いているタイプ 軽くて小さくたためる薄手
秋の登山でいちばん困るのは、登りで汗をかき、稜線で風に当たって冷えること。だから秋には、風を弱めつつ汗の湿気を逃がす膜なしの薄手が向いています。冬は0℃を切ると、風を「弱める」では足りません。止めたうえで熱を逃がさない、膜入り・裏起毛のタイプの出番です。春は日によって気温の振れ幅が大きく稜線の風が強い季節。着る時間は短いので、軽く小さくたためる薄手が便利です。標高ごとの気温の計算方法と、秋の服装全体の組み立てはこちら。
ポイント③:重さと熱の逃がし方
軽いものは春の「持っていく保険」に、重く厚いものは冬の行動着に向きます。冬用は暖かいぶん登りで熱がこもるので、脇のファスナー(ピットジップ)で熱を逃がせるかも確認しましょう。
ポイント④:下に着るものを入れてサイズを選ぶ
秋にベースレイヤー1枚の上に着る前提でぴったりを買うと、冬にフリースを重ねた途端、肩や脇が突っ張ります。逆に大きめを買うと、1枚で着たとき生地がだぶついて風が入ります。試着には、実際に下へ着る予定のものを着ていきましょう。素材や機能から整理した詳しい選び方ガイドはこちらです。
よくある失敗

- 真冬用の裏起毛を秋に着て汗だくになる:いちばん多い失敗です。10月の登りで汗だくになり、休憩で止まったとたんに汗が冷えて震える。秋に必要なのは暖かさではなく、汗の湿気を逃がす力です。
- ソフトシェル1枚で雨に耐えようとする:はっ水加工が効くのは霧雨や短時間の小雨まで。本降りが続けば、膜入りでも縫い目やファスナーから水が入ります。レインウェアは必ず別にザックへ入れ、降ったら上から羽織りましょう。
- 下に何を着るか決めずにサイズを選ぶ:ポイント④のとおり、重ね着を前提に試着を。
登山ソフトシェルのおすすめ6選【2026年版】
ここからは、メーカー公式サイトで価格を確かめたソフトシェル6モデルを、秋・冬・春に分けて紹介します。価格は2026年11月2日時点の税込価格です。重さは公式で確認できたものだけ載せています。
おすすめ6モデルの比較表
- アークテリクス ガンマ ライトウェイト フーディ:向く季節 秋 / 価格(税込) 44,000円 / 重さ 公式ページで確認できず / 素材 ナイロン二重織り(Fortius 1.0) / 防風の膜 なし
- マウンテンハードウェア チョックストンアルパインLTフーデッドジャケット:向く季節 秋 / 価格(税込) 26,400円 / 重さ 公式ページで確認できず / 素材 ナイロン・ポリウレタン二重織り / 防風の膜 なし
- マムート アルティメイト 8 ソフトシェル フーデッド ジャケット AF:向く季節 冬 / 価格(税込) 46,200円 / 重さ 559g / 素材 3層 WINDSTOPPER by GORE-TEX LABS(ePE膜) / 防風の膜 あり
- モンベル クリマバリア パーカ:向く季節 冬 / 価格(税込) 21,120円(Men's) / 重さ 447g(平均) / 素材 クリマバリア(防風透湿フィルム+裏起毛) / 防風の膜 あり
- ファイントラック ミューラップフーディ:向く季節 春 / 価格(税込) 32,912円 / 重さ 140g(Men's M) / 素材 ポリエステルニット/エバーブレスμ/ナイロンニット / 防風の膜 あり
- モンベル ウルトラ ライトシェル パーカ:向く季節 春 / 価格(税込) 9,900円(Men's) / 重さ 136g(平均) / 素材 12Dナイロン(はっ水) / 防風の膜 なし
【秋向け】膜なしで汗が抜ける2着
秋の2着に共通するのは、防風の膜が入っていない二重織りであること。風を完全には止めませんが、そのぶん汗の湿気が抜けて蒸れにくい。ベースレイヤーの上に直接着るか、薄手のミドルレイヤーに重ねるか、どちらもできます。
アークテリクス『ガンマ ライトウェイト フーディ』

出典:アークテリクス
アークテリクスの定番ソフトシェル「ガンマ」シリーズの中で、いちばん軽いモデル。防風の膜は入っておらず、体の熱と湿気を外へ逃がす設計です。10月の低山なら、登りはこれ1枚。稜線で風が出ても脱ぎ着せずに歩き続けられます。
- 素材:44,000円 Fortius 1.0(ナイロン二重織り)
- 防風膜:44,000円 なし
こんな人におすすめ:秋の登りで汗をかきやすく、脱ぎ着の回数を減らしたい人。フリースの代わりに1枚で着られるソフトシェルを探している人。
マウンテンハードウェア『チョックストンアルパインLTフーデッドジャケット』

出典:マウンテンハードウェア
秋のソフトシェルで迷ったら、まずこれを。4方向に伸びるストレッチ生地で、もともとアルパインクライミング向けなので腕を上げたときの突っ張りが少なく、岩場のある秋のコースでも動きを邪魔しません。膜がないので汗の湿気がよく抜け、それでいて生地はしっかり風を弱めます。
- 素材:26,400円 ナイロン・ポリウレタンの二重織り(ダブルウィーブ)
- 防風膜:26,400円 なし
こんな人におすすめ:最初の1着を価格と実績のバランスで決めたい人。岩場や急登のある秋のコースで、腕や肩の動きやすさを重視する人。
秋のソフトシェルは「ミドルレイヤーの代わりになる」のがポイント。より軽いミドルレイヤーの上に重ねる組み立てなら、こちらもどうぞ。
【冬・真冬向け】膜入り・裏起毛で風を止める2着
冬の2着に共通するのは、防風の膜が入っていること。0℃を下回る真冬の低山や樹林帯の雪山ハイクで、「行動着として着っぱなしにできるアウター」になります。ただし、吹雪かれる可能性がある稜線にはハードシェルを別に持っていきましょう。膜が入っていても、ソフトシェルは防水ウェアではありません。
マムート『アルティメイト 8 ソフトシェル フーデッド ジャケット AF』

出典:マムート
GORE-TEXの防風素材「WINDSTOPPER by GORE-TEX LABS」の3層構造で、風をほぼ完全に止めながら汗の湿気は逃がします。膜はPFCフリーのePE(ポリエチレン)膜。脇の下にピットジップがあり、登りで熱くなったら開けて逃がせます。風を止める力が強いウェアほど熱を逃がす仕組みが大事で、そこを押さえているモデルです。
- 重さ:46,200円 559g
- 素材:46,200円 3層 WINDSTOPPER by GORE-TEX LABS(ePE膜、表地・裏地はリサイクルポリエステル)
- 防風膜:46,200円 あり
- その他:46,200円 ピットジップあり
こんな人におすすめ:真冬の低山や雪山ハイクを、ソフトシェル1枚を行動着にして歩きたい人。「ゴアテックスのソフトシェル」を探していた人。
モンベル『クリマバリア パーカ』

出典:モンベル
「冬のソフトシェルに4万円は出せない」という人に、まず見てほしい1着。モンベル独自の「クリマバリア」は、防風透湿フィルムと裏起毛を組み合わせた素材です。公式でも冬の山向けの暖かい防風アウターとして紹介されています。裏起毛が肌側の空気をため、フィルムが外の風を止めるので、樹林帯では薄手のミドルレイヤーが要らないことも。
- 重さ:21,120円(Men's)/20,350円(Women's) 447g(Men's 平均)/420g(Women's 平均)
- 素材:21,120円(Men's)/20,350円(Women's) クリマバリア(防風透湿フィルム+裏起毛)
- 防風膜:21,120円(Men's)/20,350円(Women's) あり
こんな人におすすめ:真冬の低山ハイクや雪の樹林帯歩きが中心の人。冬のソフトシェルを2万円台でそろえたい人。
膜入りのソフトシェルは、下に着るものしだいで暖かさが大きく変わります。風はソフトシェルで止め、保温は通気性のある中綿で足すのが、汗をかいて冷えやすい冬の低山向きの組み合わせです。
山旅ショップのPOLARTEC アルファダイレクト90 ULジャケットは、通気性のある化繊の中綿ジャケットです。ソフトシェルの下に着ても蒸れにくく、選び方③の「熱の逃がし方」を下の層から助けてくれます。
稜線で吹雪かれる可能性がある日はハードシェルを、脚の寒さ対策には登山パンツの記事もあわせてどうぞ。
【春向け】軽くて小さくたためる2着
春の2着に共通するのは、軽くて小さくたためること。どちらも140g前後と同じ重さでありながら、防風の膜があるかないかで性格が正反対です。風を完全に止めたいならミューラップ、弱められれば十分ならウルトラ ライトシェル。ここが春の分かれ道になります。
ファイントラック『ミューラップフーディ』

出典:ファイントラック
薄手ながら膜「エバーブレス μ(ミュー)」が入っている、めずらしいタイプ。ごく薄いニットで膜を挟んだ3層構造で、Men's Mサイズで140gです。残雪の稜線では膜なしの薄手だと風が抜けて寒いことがあるので、「風は止めたいが重いソフトシェルは持ちたくない」という春に向いています。なおファイントラックはこの製品を「L4:ミッドシェル」と呼んでいます。
- 重さ:32,912円 140g(Men's M)
- 素材:32,912円 表:15Dポリエステルニット/中間:エバーブレスμ/裏:7Dナイロンニット
- 防風膜:32,912円 あり
こんな人におすすめ:春の残雪期に、軽くて風を止める1枚がほしい人。秋の薄手ソフトシェルでは稜線の風が抜けて寒かった人。
モンベル『ウルトラ ライトシェル パーカ』

出典:モンベル
モンベル公式が「ソフトシェル パーカ」に分類している、ごく薄い1着。Men'sで平均136g・税込9,900円と、春のザックに入れておく1枚としては手に取りやすい組み合わせです。膜がないぶん風は完全には止まりませんが、歩いていても蒸れにくく、羽織ったまま登り続けられます。残雪の稜線まで行かない春の低山や里山の風対策なら、これで十分です。
- 重さ:9,900円(Men's)/9,350円(Women's) 136g(Men's 平均)/117g(Women's 平均)
- 素材:9,900円(Men's)/9,350円(Women's) 12Dナイロン(はっ水加工、裏地メッシュ)
- 防風膜:9,900円(Men's)/9,350円(Women's) なし
こんな人におすすめ:春の低山で、風が出たときだけ羽織る1枚がほしい人。予算を1万円以内に抑えたい人。
春のジャケットが決まったら、ソフトシェルのパンツやプルオーバーも検討してみてください。
よくある質問

真冬にソフトシェルだけで行けますか?
行く山によります。樹林帯の低山ハイクや風の弱い日の雪原歩きなら、膜入りの裏起毛タイプを行動着にして歩けます。ただし森林限界より上で吹雪かれる可能性がある稜線は別です。防水ではないので、ハードシェルを別に持ち、行動着としてソフトシェルを使うのが真冬の基本です。
「ゴアテックスのソフトシェル」とは何ですか?
ゴアテックスには、雨を止める防水の膜と、風を止める防風の膜(WINDSTOPPER by GORE-TEX LABS)があります。「ゴアテックスのソフトシェル」は後者を使ったもので、この記事ではマムートのアルティメイト 8がそれにあたります。防風性はとても高いのですが、防水ではありません。
ソフトシェルとフリース、どちらを先に買うべきですか?
登る季節で決めてください。秋と春が中心なら、フリースの代わりにもなる膜なしの薄手を先に。真冬の低山が中心なら、フリースを先に買い、その上に膜入りのソフトシェルかハードシェルを足す順番のほうが幅が広がります。
秋・冬・春を1着で済ませるなら、どれを選べばいいですか?
1着で3季節を快適にするのは難しいです。それでも絞るなら、秋と春に使える膜なしの薄手を選び、冬は下にフリースや中綿を足して樹林帯の低山までにとどめるのが現実的です。真冬がメインなら膜入りの裏起毛を選び、秋や春は軽い1枚で代用しましょう。
ソフトシェルは雨の日にも使えますか?
霧雨や短時間の小雨なら弾きますが、本降りの雨には耐えられません。雨の予報がある日は、ソフトシェルとは別にレインウェアを必ず持っていきましょう。
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※本記事の作成にはAIを活用し、製品の仕様は各公式サイトの掲載情報(確認日時点)と照合しています。






