立山・弥陀ヶ原で地震増加|噴火警戒レベルは1のまま、地獄谷の火山ガスに注意

立山・弥陀ヶ原で地震増加|噴火警戒レベルは1のまま、地獄谷の火山ガスに注意

この記事の要点:立山の弥陀ヶ原(みだがはら)で、10月28日の夜から地震が増えています。気象庁は29日に解説資料を出しましたが、震源が火口と想定される地獄谷周辺から離れているため、噴火警戒レベルは1のままです。室堂・雷鳥沢を歩く人は、地獄谷付近の火山ガスと、これから続く雪と寒さにあわせて準備してください。あわせて、いま全国でレベル2以上が出ている火山もまとめました。

何が発表されたか

気象庁は10月29日17時、弥陀ヶ原の火山の状況に関する解説資料を出しました。28日22時ごろから、想定火口域(地獄谷周辺)の南3〜4kmあたりを震源とする地震が増えています。回数は、28日が32回、29日は16時までに48回(速報値)です。

一方で、山の膨らみなどの地殻変動や、噴気の様子などの表面の変化は、特に確認されていません。気象庁は「震源が想定火口域から離れている」として、噴火警戒レベルを引き上げる状況ではないとしています。NHKも29日夜、「今のところ異常はない」と伝えています。

くわしく:弥陀ヶ原はどんな火山か

弥陀ヶ原は、立山の室堂平から弥陀ヶ原の高原にかけて広がる活火山で、気象庁の資料では標高2,621mとされています。噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)です。

火口と想定されているのは、室堂から雷鳥沢へ向かう途中にある地獄谷の周辺です。気象庁は今回の資料でも、次の点に注意するよう呼びかけています。

  • 想定火口域では、泥や火山灰が噴き出すことがある
  • 地獄谷では熱の活動が活発な状態が続いている
  • 地獄谷付近では火山ガスに注意する

今回の資料には、新たな立入規制や入山規制は書かれていません。ただし地獄谷周辺の歩道には、火山ガスのために以前から通行止めや通行注意の区間が設けられており、立山黒部アルペンルートの公式サイトでも告知されています。

登山者にとっての意味・気をつけたいこと

いまの時点で、室堂周辺の登山を控えるよう求める発表は出ていません。そのうえで、この時期の立山を歩く人は次のことを意識してください。

  1. 地獄谷の通行止め区間に入らない。火山ガス(硫化水素など)は窪地や谷にたまりやすく、風が弱い日や霧の日は特に濃くなります。卵が腐ったようなにおいが強いとき、目やのどが痛むときは、すぐに風上の高い場所へ離れます。
  2. 出発前と現地で火山情報を見る。地震の増加が続くと、気象庁が解説情報を出し直すことがあります。室堂ターミナルや山小屋の掲示も確認してください。
  3. 雪と寒さの装備を用意する。10月下旬の室堂(標高約2,450m)は、すでに雪が積もる日があり、朝晩は氷点下になります。雷鳥沢から別山・剱御前への登り返しや、一ノ越への道は凍結しやすく、チェーンアイゼンなどの滑り止めと、手袋・帽子・防風の上着が必要です。
  4. 日の短さを計算に入れる。11月が近づくと日の入りは17時前になります。最終のバスやケーブルの時刻から逆算して、下りの時間に余裕を持たせます。

全国でレベル2以上が出ている火山(10月30日朝の確認時点)

気象庁の「火山登山者向けの情報提供ページ」で、噴火警戒レベル2以上が出ている火山は次のとおりです。いずれも火口の周辺に立入規制があります。

  • 桜島(鹿児島県):噴火警戒レベル レベル3(入山規制)
  • 雌阿寒岳(北海道):噴火警戒レベル レベル2(火口周辺規制)
  • 十勝岳(北海道):噴火警戒レベル レベル2(火口周辺規制)
  • 北海道駒ヶ岳(北海道):噴火警戒レベル レベル2(火口周辺規制)
  • 阿蘇山(熊本県):噴火警戒レベル レベル2(火口周辺規制)
  • 霧島山・新燃岳(宮崎県・鹿児島県):噴火警戒レベル レベル2(火口周辺規制)
  • 薩摩硫黄島(鹿児島県):噴火警戒レベル レベル2(火口周辺規制)
  • 諏訪之瀬島(鹿児島県):噴火警戒レベル レベル2(火口周辺規制)

十勝岳は10月16日にレベル3から2へ引き下げられましたが、火口の周辺では噴石への警戒が続いています。北海道駒ヶ岳は10月2日にレベル2へ引き上げられました。これらの山へ向かう人は、規制の範囲(火口から何km以内か)を自治体や気象庁の発表で確かめてから計画を立ててください。

次の発表と、確かめ方

  • 弥陀ヶ原の地震活動に変化があれば、気象庁が火山の状況に関する解説情報などで発表します。気象庁の「火山登山者向けの情報提供ページ」から、火山ごとの最新情報を見られます。
  • アルペンルートの運行や歩道の通行止めは、立山黒部アルペンルート公式サイトの運行情報・お知らせで確認できます。今季の営業最終日も公式サイトで確かめてください。
  • 立山に登るときは、富山県の登山届(オンライン申請も可)を出しておきます。富山県警察・富山県のホームページに出し方が案内されています。

出典:気象庁「弥陀ヶ原の火山の状況に関する解説資料」(2026年10月29日、日本気象協会tenki.jp掲載)/NHK「立山・弥陀ヶ原で地震増加 火山活動監視も異常なし」(2026年10月29日)/気象庁「火山登山者向けの情報提供ページ」/気象庁「十勝岳の噴火警戒レベルを2へ引下げ」(2026年10月16日)/立山黒部アルペンルート「災害情報」(2026年10月30日確認)

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